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カスタマイズできないパソコン [日常生活]
今日も出勤日。水曜日は会議も含めてスケジュールがパンパンに詰まっているので、毎週しんどいんやけれど、今日は朝から小雨が降ったりしていて底冷えがし、かなり消耗した。パソコンも新システムに移行したので、使い勝手が悪く、特に困るのは文書作成の時。私はワープロやパソコンの出始めの時から文書作成をしていて、その時点ではかな入力かローマ字入力かどちらが主流になるかまだはっきりしてなんだ。自分の頭の中に浮かんだ文章をそのまま入力しやすいというので、かな入力を選んだ。ところがそれからしばらくして、ローマ字入力が主流になり、私のようなかな入力を続けている人は少数派になった。それでも自分のパソコンのキーボードだけのことやからと今もずっとかな入力を続けている。で、新システムに移行したらデフォルトでキーボートはローマ字入力になっていた。早速かな入力に切り替えようとしたんやけれど、なんぼAltキーと「カタカナ ひらがな ローマ字」キーを同時に押してもかな入力に切り替わらず、ローマ字入力しか受け入れてくれん。つまり、職場のパソコンの新システムはカスタマイズをさせてくれへんのですね。手は勝手にかな入力で文書作成をしてしまう。それが当たり前になっているからね。でも、画面には意味不明のアルファベットがずらずら並ぶだけ。しまったといちからローマ字で打ちなおすことになる。そんなのを何度も繰り返していると無駄に時間が過ぎていく。どうやら大阪府のメインコンピュータのシステムがそうなっていて、我々末端の者ではどうしようもないみたい。うーむ、ただでさえ空き時間が少ないのに、これ以上能率が悪くなるのは困りもの。
どっと疲れて帰宅。しばらく寝床でどぶさり、夕食時に大相撲を録画で見る。豊昇龍が隆ノ勝に攻められても腰から下はびくともせず、突き落としで下す。これはひょっとしたらひょっとするかもしれんな。まあ、負けギャンブラーの私が何か書くとろくなことにならないんで、これ以上は書くまい。宇良が久しぶりに伝え反りの大技を見せる。これを見ただけでもう満足です。
相撲の後は社説のダウンロードなど。読書をしていたら日記を書く時間になっていた。明日は定休日。疲れをしっかりと取りたいね。
1月19日(日)は「たちよみの会」例会です。今月も13:00~15:00の短縮バージョンです。ご参加お待ちしています。
どっと疲れて帰宅。しばらく寝床でどぶさり、夕食時に大相撲を録画で見る。豊昇龍が隆ノ勝に攻められても腰から下はびくともせず、突き落としで下す。これはひょっとしたらひょっとするかもしれんな。まあ、負けギャンブラーの私が何か書くとろくなことにならないんで、これ以上は書くまい。宇良が久しぶりに伝え反りの大技を見せる。これを見ただけでもう満足です。
相撲の後は社説のダウンロードなど。読書をしていたら日記を書く時間になっていた。明日は定休日。疲れをしっかりと取りたいね。
1月19日(日)は「たちよみの会」例会です。今月も13:00~15:00の短縮バージョンです。ご参加お待ちしています。
光秀の定理 [読書全般]
今日は出勤日。3コマ連続の授業が終わり、その時点でへとへと。そやけど、職場のネット環境変更の作業は今日中にすましておかねばならん。若手の先生にマニュアルを貸してもらい、午後からはそちらの作業に専念。少しばかり時間はかかったけれど、なんとか終了。明日の授業の準備などをしてから退出。
帰宅後、すぐに録画した大相撲初場所3日目を見る。豊昇龍が圧倒的な相撲で若隆景を下し3連勝。それに対し琴櫻は体が全く動かず2敗目。連続優勝をしようと思うたら、もう1敗もでけん。序盤での連敗は痛い。照ノ富士は霧島にてこずりながらもなんとか2勝目。大の里は隆ノ勝に圧勝。三段目の相撲がBSの中継に少しだけ入り、久しぶりに炎鵬の相撲を見られた。東大出身の須山を一気の攻めで下して今年の初星をあげる。炎鵬、ええやん。この調子で来場所は幕下に戻ってほしいものです。
夕食後、社説のダウンロードをしたあと寝落ち。連休明けの仕事がきつかったからなあ。
垣根涼介「光秀の定理」(角川文庫)読了。親本出版時に、現代ミステリ作家の異色歴史小説として話題になったもの。主役は明智光秀かと思うたら、愚息という僧と笹の葉新九郎という兵法者。応仁の乱で荒れ果てた今日で二人は出会い、原始仏教に傾倒する愚息に感化された新九郎が、敵を倒す兵法から自分を磨く兵法へと考え方を変えていく。そこにまだ無位無官やった光秀が出会い、彼らの影響を受けながら、足利義昭の確保、信長に見いだされて破格の出世を遂げていく。光秀は戦の中で愚息の確率的な思考を取り入れて味方を勝利に導いたりするが、信長という男の本質を知り……という話。確かにユニークな歴史小説。愚息と新九郎という戦国時代の人間とは思えない合理的思考をする二人を主軸に置き、数学的な考え方と実存主義的な哲学で戦国時代を、そして光秀と信長を切り取っていくあたり、非常に興味深かった。「本能寺の変」の描写は一切出さず、光秀の死後に愚息と新九郎が「なぜ光秀は信長に謀反を起こしたか」を推理させるという趣向も面白かった。確かに、こういう歴史の切り取り方、特に戦国時代を現代的な合理主義を持つ部外者に俯瞰で考えさせるという視点は独特のものがあって興味深かった。明智光秀という人物を分析することで、戦国という時代の本質を見据えていく冷静なタッチには驚かされ、引きこまれた。同じ作者の現代ものや、別な視点から描いた戦国ものも読んでみたくなった。好きなタイプの歴史小説ではないのに、思わず引きこまれていく魅力が本書にはある。
1月19日(日)は「たちよみの会」例会です。今月も13:00~15:00の短縮バージョンです。ご参加お待ちしています。
帰宅後、すぐに録画した大相撲初場所3日目を見る。豊昇龍が圧倒的な相撲で若隆景を下し3連勝。それに対し琴櫻は体が全く動かず2敗目。連続優勝をしようと思うたら、もう1敗もでけん。序盤での連敗は痛い。照ノ富士は霧島にてこずりながらもなんとか2勝目。大の里は隆ノ勝に圧勝。三段目の相撲がBSの中継に少しだけ入り、久しぶりに炎鵬の相撲を見られた。東大出身の須山を一気の攻めで下して今年の初星をあげる。炎鵬、ええやん。この調子で来場所は幕下に戻ってほしいものです。
夕食後、社説のダウンロードをしたあと寝落ち。連休明けの仕事がきつかったからなあ。
垣根涼介「光秀の定理」(角川文庫)読了。親本出版時に、現代ミステリ作家の異色歴史小説として話題になったもの。主役は明智光秀かと思うたら、愚息という僧と笹の葉新九郎という兵法者。応仁の乱で荒れ果てた今日で二人は出会い、原始仏教に傾倒する愚息に感化された新九郎が、敵を倒す兵法から自分を磨く兵法へと考え方を変えていく。そこにまだ無位無官やった光秀が出会い、彼らの影響を受けながら、足利義昭の確保、信長に見いだされて破格の出世を遂げていく。光秀は戦の中で愚息の確率的な思考を取り入れて味方を勝利に導いたりするが、信長という男の本質を知り……という話。確かにユニークな歴史小説。愚息と新九郎という戦国時代の人間とは思えない合理的思考をする二人を主軸に置き、数学的な考え方と実存主義的な哲学で戦国時代を、そして光秀と信長を切り取っていくあたり、非常に興味深かった。「本能寺の変」の描写は一切出さず、光秀の死後に愚息と新九郎が「なぜ光秀は信長に謀反を起こしたか」を推理させるという趣向も面白かった。確かに、こういう歴史の切り取り方、特に戦国時代を現代的な合理主義を持つ部外者に俯瞰で考えさせるという視点は独特のものがあって興味深かった。明智光秀という人物を分析することで、戦国という時代の本質を見据えていく冷静なタッチには驚かされ、引きこまれた。同じ作者の現代ものや、別な視点から描いた戦国ものも読んでみたくなった。好きなタイプの歴史小説ではないのに、思わず引きこまれていく魅力が本書にはある。
1月19日(日)は「たちよみの会」例会です。今月も13:00~15:00の短縮バージョンです。ご参加お待ちしています。
天山の巫女ソニン巨山外伝 予言の娘 [読書全般]
今日はハッピーマンデーの成人の日。全国各地で「20歳の集い」なるものを昨日と今日でやっているらしい。18歳成人になってからも「成人式」は20歳。実際、18歳の成人の中には大学入試共通テストで「成人式」どころではない者も多かろう。ややこしい話であります。
というわけで今週も月曜が休日。午前中は深夜アニメやら長く見ないでためていた映画を見たりして過ごし、昼食後は午睡。夕刻起きて社説のダウンロードをしたりしてから間に夕食をはさみながら録画した大相撲中継を見る。照ノ富士と大の里が今場所初勝利。琴櫻は敗れ、豊昇龍は連勝。琴櫻はかなりカチカチになっていて、阿炎の突きをまともに食らう。明日以降、硬くなっていた横綱大関たちが気持ちを切り替えていけるかどうか、やね。
相撲を見た後は読書。がしがしと読む。遅くに宮崎で地震。南海トラフ自身に影響があるとかないとか、ニュース速報が次々にスマホに届くけれど、最終的には大地震にはつながらないと気象庁発表があった。やれやれです。
菅野雪虫「天山の巫女ソニン巨山外伝 予言の娘」(講談社文庫)読了。本伝で重要な役割を果たした巨山の王女イェラが主人公。国王の正妃の娘として生まれた彼女の生い立ちが綴られる。娘というだけで父も母も彼女に愛を注ぐことはなく、そのかわりに乳母によって育てられたイェラ王女は、自立した人間となり、父王の政治に疑問を抱くようになる。それは、自分に都合の悪いものについてはそれを記録ごと抹消してしまい、人々をうまくおだてて利用し、すべて最後には自分のものにしてしまうという政治であり、そのため彼女は大切にしていた人たちを失ってしまう。側室の息子たちである兄王子らがイェラ王女を追い落とそうとして自滅し、巨山王の後継者となることが決まると、父王の命に従い江南との戦に向かうことになるが……という話。強烈な個性を持ちソニンたちの生き方にも影響を与えることになるイェラ王女の人格がどうやって形成されてきたのか。作者はイェラ王女の視点から巨山という国のありようや、人たらしであり策士であり冷酷である父王や、聡明であったはずの母が王子を産む事ができなかったためにどう生き方を狂わせてしまったかなどを描いていく。本伝ではソニンと沙維の記述が主であったために、ソニンの視点では断片的にしか描くことのできなかった部分を外伝で補完している。この外伝のおかげで、作者によるこのシリーズの世界観の大きさがかなり明らかになった。外伝はもう1巻あり、そこでは江南の王子が主役になる。そこまで読み終えた時、どこまでこの物語の世界が深まっていくのか。楽しみは少し後に取っておこう。
というわけで今週も月曜が休日。午前中は深夜アニメやら長く見ないでためていた映画を見たりして過ごし、昼食後は午睡。夕刻起きて社説のダウンロードをしたりしてから間に夕食をはさみながら録画した大相撲中継を見る。照ノ富士と大の里が今場所初勝利。琴櫻は敗れ、豊昇龍は連勝。琴櫻はかなりカチカチになっていて、阿炎の突きをまともに食らう。明日以降、硬くなっていた横綱大関たちが気持ちを切り替えていけるかどうか、やね。
相撲を見た後は読書。がしがしと読む。遅くに宮崎で地震。南海トラフ自身に影響があるとかないとか、ニュース速報が次々にスマホに届くけれど、最終的には大地震にはつながらないと気象庁発表があった。やれやれです。
菅野雪虫「天山の巫女ソニン巨山外伝 予言の娘」(講談社文庫)読了。本伝で重要な役割を果たした巨山の王女イェラが主人公。国王の正妃の娘として生まれた彼女の生い立ちが綴られる。娘というだけで父も母も彼女に愛を注ぐことはなく、そのかわりに乳母によって育てられたイェラ王女は、自立した人間となり、父王の政治に疑問を抱くようになる。それは、自分に都合の悪いものについてはそれを記録ごと抹消してしまい、人々をうまくおだてて利用し、すべて最後には自分のものにしてしまうという政治であり、そのため彼女は大切にしていた人たちを失ってしまう。側室の息子たちである兄王子らがイェラ王女を追い落とそうとして自滅し、巨山王の後継者となることが決まると、父王の命に従い江南との戦に向かうことになるが……という話。強烈な個性を持ちソニンたちの生き方にも影響を与えることになるイェラ王女の人格がどうやって形成されてきたのか。作者はイェラ王女の視点から巨山という国のありようや、人たらしであり策士であり冷酷である父王や、聡明であったはずの母が王子を産む事ができなかったためにどう生き方を狂わせてしまったかなどを描いていく。本伝ではソニンと沙維の記述が主であったために、ソニンの視点では断片的にしか描くことのできなかった部分を外伝で補完している。この外伝のおかげで、作者によるこのシリーズの世界観の大きさがかなり明らかになった。外伝はもう1巻あり、そこでは江南の王子が主役になる。そこまで読み終えた時、どこまでこの物語の世界が深まっていくのか。楽しみは少し後に取っておこう。
本にだって雄と雌があります [読書全般]
今日も寒い1日。午前中は昨夜録画した深夜アニメ、「仮面ライダーガヴ」「ブンブンジャー」などを見る。1本は見るのをやめるものが決まった。どれとは書かないけれど、女の子たちが戦う話というのはよほどストーリーに工夫がないと見続けられんようになってきたなあ。
昼食後、午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなどをしてから読書。夕食をはさんで大相撲初場所の初日を見る。横綱昇進のかかる両大関はともに白星発進。琴櫻は隆の勝を慎重な相撲で下し、豊昇龍は粘る霧島を投げる。大の里は翔猿に引き落とされ、横綱照ノ富士は若隆景の肩透かしに苦杯。やはり今場所の主役は琴櫻と豊昇龍か。
相撲を見た後はまたしばらく読書。明日はハッピーマンデーの成人の日でまた休み。休み癖がなかなか抜けませんなあ。
小田雅久仁「本にだって雄と雌があります」(新潮文庫)読了。父親が自分の息子にあてた手記という体裁をとり、蔵書家の祖父と画家の祖母、さらには先祖の話から親戚一同の話をあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら語り、ところどころに祖父の日記や架空の本の一節をはさんだり。祖父によると書棚の本の位置を変えると、その並ぶ順番によって、雄の本と雌の本の間に新たな「幻書」が誕生するという。祖父はそうやって産まれた本を別な書庫に納めていて、それには祖母の分もあって……という話。なんというのか、そのあちこちに脱線しながらだんだん「幻書」の持つ役割が明らかになっていくんやけれど、その脱線ぶりが傑作。読み手は作者の仕掛けた壮大なほら話に吸いこまれていく。そう、本書はSFというよりファンタジーというよりも「ほら話」なのですね。登場人物が関西弁なのも、そのほら話に効果を与えている。そうそう、本というのはそうやって増えていくのだよなあ、なんて思わず納得してしまうのであります。また、祖父が隠していた戦地でのことを記した日記や、飛行機事故で祖父が子どもたちを助けるくだりなどは非常にリアリティがあって読み手をぐいぐいとひきこんでいく。虚実ないまぜになった「ほら話」に酔わずにはいられない。そういう意味では本書はある種の奇書ともいえる。とにかくその語り口に魅了されたが最後、作品世界から出られなくなってしまうという感じ。読み手を選ぶ作品やと思うけれど、私はこういうの大好物であります。
昼食後、午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなどをしてから読書。夕食をはさんで大相撲初場所の初日を見る。横綱昇進のかかる両大関はともに白星発進。琴櫻は隆の勝を慎重な相撲で下し、豊昇龍は粘る霧島を投げる。大の里は翔猿に引き落とされ、横綱照ノ富士は若隆景の肩透かしに苦杯。やはり今場所の主役は琴櫻と豊昇龍か。
相撲を見た後はまたしばらく読書。明日はハッピーマンデーの成人の日でまた休み。休み癖がなかなか抜けませんなあ。
小田雅久仁「本にだって雄と雌があります」(新潮文庫)読了。父親が自分の息子にあてた手記という体裁をとり、蔵書家の祖父と画家の祖母、さらには先祖の話から親戚一同の話をあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら語り、ところどころに祖父の日記や架空の本の一節をはさんだり。祖父によると書棚の本の位置を変えると、その並ぶ順番によって、雄の本と雌の本の間に新たな「幻書」が誕生するという。祖父はそうやって産まれた本を別な書庫に納めていて、それには祖母の分もあって……という話。なんというのか、そのあちこちに脱線しながらだんだん「幻書」の持つ役割が明らかになっていくんやけれど、その脱線ぶりが傑作。読み手は作者の仕掛けた壮大なほら話に吸いこまれていく。そう、本書はSFというよりファンタジーというよりも「ほら話」なのですね。登場人物が関西弁なのも、そのほら話に効果を与えている。そうそう、本というのはそうやって増えていくのだよなあ、なんて思わず納得してしまうのであります。また、祖父が隠していた戦地でのことを記した日記や、飛行機事故で祖父が子どもたちを助けるくだりなどは非常にリアリティがあって読み手をぐいぐいとひきこんでいく。虚実ないまぜになった「ほら話」に酔わずにはいられない。そういう意味では本書はある種の奇書ともいえる。とにかくその語り口に魅了されたが最後、作品世界から出られなくなってしまうという感じ。読み手を選ぶ作品やと思うけれど、私はこういうの大好物であります。
寅さんやら昔の大河ドラマやら [テレビ全般]
大相撲小言場所「令和七年初場所展望〜琴櫻と豊昇龍の同時横綱昇進なるか~」を更新しました。
今日は月例の京都の医者行き。朝から昨夜録画した深夜アニメを見る。あれ、「薬屋のひとりごと」がないぞ。地上波の枠やと録画番組が重なるからBSで録画することにしたのかな。
昼前に家を出て、阪急の特急で上洛。幸い座れたので車中で読書。医者も混んでなかったんで、さくさくと進む。その足で母の施設に行き、今年初めての面会。例によって「男はつらいよ」のDVDを持っていき、先月持って行ったものと入れ替える。いくら認知症が進んでいるからというても、ずっと同じものを見せられるよりも変化があった方がええやろう。デッキのDVDを入れ替え、今日持って行った「男はつらいよ 純情編」を再生したら、母の視線はテレビ画面に釘付け。私もついつい見てしまう。宮本信子が若い! しかもマドンナ役ではなく、旅先で寅さんが助ける若い母親という役どころ。その父親役に森繁久彌! 「男はつらいよ」にはゲストで大物俳優が必ず出演しているんやけれど、まだ現役バリバリの名優たちの演技がみられるだけでも持っておいて損はない。マドンナ役は若尾文子。これまた若く美しい。「美人女優」という言葉が生きていた時代なんやなあ。
30分に面会時間がのびたので、ゆっくりと声掛けができ、元気そうに返事してくれたのでひと安心。阪急の特急で帰阪。
帰宅したら、妻は日帰り帰省でまだ帰宅してなんだ。すぐに暖房を入れ、社説のダウンロードなどをして帰りを待つ。妻の帰宅後はしばらく読書。夕食時には録画したBSの「大相撲どすこい研 突き押し」や「大河ドラマ」の特番などを見る。ゲストの石坂浩二さんと渡辺謙さん、高畑淳子さん、そして昨年亡くなった西田敏行さんの名場面ダイジェストが中心。ところどころで緒形拳さんがでてくるのが嬉しいね。ミスター大河ドラマは緒形拳さん、石坂浩二さん、西田敏行さんというところか。実は脇役ながら佐藤慶さんの出演回数もかなり多いのでした。ところで、旧ジャニーズ所属の人たちの場面が一切なかったぞ。NHK的にはまだまだ使えんということか。アメリカで賞をとった真田広之さんの場面もなかったな。タイムリーな話題に便乗するかと思うたけれど、これは渡辺謙さんがメインで出演してるから、そこらあたりの配慮かしらん。
さあ、明日からは初場所が始まるぞ。2週間、相撲をたっぷり楽しみたい。
今日は月例の京都の医者行き。朝から昨夜録画した深夜アニメを見る。あれ、「薬屋のひとりごと」がないぞ。地上波の枠やと録画番組が重なるからBSで録画することにしたのかな。
昼前に家を出て、阪急の特急で上洛。幸い座れたので車中で読書。医者も混んでなかったんで、さくさくと進む。その足で母の施設に行き、今年初めての面会。例によって「男はつらいよ」のDVDを持っていき、先月持って行ったものと入れ替える。いくら認知症が進んでいるからというても、ずっと同じものを見せられるよりも変化があった方がええやろう。デッキのDVDを入れ替え、今日持って行った「男はつらいよ 純情編」を再生したら、母の視線はテレビ画面に釘付け。私もついつい見てしまう。宮本信子が若い! しかもマドンナ役ではなく、旅先で寅さんが助ける若い母親という役どころ。その父親役に森繁久彌! 「男はつらいよ」にはゲストで大物俳優が必ず出演しているんやけれど、まだ現役バリバリの名優たちの演技がみられるだけでも持っておいて損はない。マドンナ役は若尾文子。これまた若く美しい。「美人女優」という言葉が生きていた時代なんやなあ。
30分に面会時間がのびたので、ゆっくりと声掛けができ、元気そうに返事してくれたのでひと安心。阪急の特急で帰阪。
帰宅したら、妻は日帰り帰省でまだ帰宅してなんだ。すぐに暖房を入れ、社説のダウンロードなどをして帰りを待つ。妻の帰宅後はしばらく読書。夕食時には録画したBSの「大相撲どすこい研 突き押し」や「大河ドラマ」の特番などを見る。ゲストの石坂浩二さんと渡辺謙さん、高畑淳子さん、そして昨年亡くなった西田敏行さんの名場面ダイジェストが中心。ところどころで緒形拳さんがでてくるのが嬉しいね。ミスター大河ドラマは緒形拳さん、石坂浩二さん、西田敏行さんというところか。実は脇役ながら佐藤慶さんの出演回数もかなり多いのでした。ところで、旧ジャニーズ所属の人たちの場面が一切なかったぞ。NHK的にはまだまだ使えんということか。アメリカで賞をとった真田広之さんの場面もなかったな。タイムリーな話題に便乗するかと思うたけれど、これは渡辺謙さんがメインで出演してるから、そこらあたりの配慮かしらん。
さあ、明日からは初場所が始まるぞ。2週間、相撲をたっぷり楽しみたい。
「べらぼう」第1話 [テレビ全般]
今日も定休日。冷え込みが厳しくなってきた。午前中は例によって昨夜録画した深夜アニメをたっぷりと見る。新番組が多くて、昨日同様集中して見ているから疲れたね。ほかに、再放送の「カムカムエブリバディ」やら大河ドラマ「べらぼう」の第1話を見る。吉原の描写など、作りこみが細かく、若き蔦重が老中と直接話をするという「そんなことあらへんやろう」という場面もあったけれど、そんな直訴をしたために吉原の決まりで罰を食らうという描写を入れるなどして、そのあり得へんことをしたために蔦重に落とし前をつけさせるという形で筋を通している。これは期待できそう。蔦重に関しては世間一般ではどうか知らんけれど、私にとっては以前書いたように写楽がらみでどんな役割を果たした人物かということを若い頃から知っていたので、前から楽しみにしていたし、直近でも「写楽まぼろし」を読んだりしていたから、こうやってクローズアップされるだけで嬉しかったりするわけですけれどね。
昼食に餅を食べ、食後は午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなど。
夕食時にはサンテレビ「熱血!タイガース党」を見る。今週のゲストは木浪内野手。こういう玄人好みの人選をするところが、この番組のええところ。昨季はあまり成績が振るわなんだだけに、今季に賭ける思いは強いようで頼もしい限り。今季は小幡や高寺、山田あたりとのポジション争いも激しくなりそうやからね。
夕食後はしばらく読書。お腹が張って眠くなって少しうとうと。明日は外出予定なんで、休めるときに休んでおかんとね。
昼食に餅を食べ、食後は午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなど。
夕食時にはサンテレビ「熱血!タイガース党」を見る。今週のゲストは木浪内野手。こういう玄人好みの人選をするところが、この番組のええところ。昨季はあまり成績が振るわなんだだけに、今季に賭ける思いは強いようで頼もしい限り。今季は小幡や高寺、山田あたりとのポジション争いも激しくなりそうやからね。
夕食後はしばらく読書。お腹が張って眠くなって少しうとうと。明日は外出予定なんで、休めるときに休んでおかんとね。
日本の指揮者とオーケストラ [読書全般]
今日は定休日。今週は深夜アニメの新番組が多く、一本ずつ集中して見んとあかん。で、もう見んでええというものをふるいにかけていかんとあかん。疲れますな。
昼食後は午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなどをしてから読書。夕食後も読書の続き。寝落ちはせなんだけれど、寒くて寒くて一度布団にもぐりこんだらなかなか出られんのですねえ。
本間ひろむ「日本の指揮者とオーケストラ」(光文社新書)読了。明治以降に日本に海外の音楽が入ってきたところからどのような指揮者が現れ、どのようなオーケストラが作られ、どのように発展していったかを、カギになる指揮者やオーケストラをピックアップする形で紹介したもの。近衛秀麿、山田耕筰、貴志康一、朝比奈隆、齋藤秀雄、小澤征爾、岩城宏之、山本直純、小林研一郎、井上道義、高関健、小泉和裕、山下一史、佐渡裕……そして新世代の指揮者たち。オケではNHK交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー管弦楽団と新日本フィルハーモニー管弦楽団などなど。非常にコンパクトにまとまっていてわかりやすく、特に日本におけるクラシックの発展で小澤征爾の果たした役割にかなり力を入れている。私は実は実演で小澤征爾指揮の演奏を聴いたことはなく、CDなどでしか接することはなかったんやけれど、大量の録音のわりにあまりその演奏でぐっと来たことがないので、なんで世間で小澤小澤と騒がれていたかよくわからなんだんやけれど、本書を読んでその理由がやっとわかりました。ただ、演奏するというだけやなく、人脈を広げ、人材育成のための組織を作り、そこから多くの音楽家が生まれ育っていったという、そこでの貢献度がかなり高かったんやね。巻末には本文で触れられなかった地方オケや指揮者のお薦めCDが紹介されているのも嬉しい。ただ、紙幅の問題もあって、もっと突っ込んだ記述がほしいという部分もあったけれど、入門書としてはこれ一冊で十分。思うていたほど日本のオケについて私は知らなんだんやなあ。著者の日本のクラシック音楽界に対する愛情がひしひしと感じられた。
昼食後は午睡。夕刻起きて社説のダウンロードなどをしてから読書。夕食後も読書の続き。寝落ちはせなんだけれど、寒くて寒くて一度布団にもぐりこんだらなかなか出られんのですねえ。
本間ひろむ「日本の指揮者とオーケストラ」(光文社新書)読了。明治以降に日本に海外の音楽が入ってきたところからどのような指揮者が現れ、どのようなオーケストラが作られ、どのように発展していったかを、カギになる指揮者やオーケストラをピックアップする形で紹介したもの。近衛秀麿、山田耕筰、貴志康一、朝比奈隆、齋藤秀雄、小澤征爾、岩城宏之、山本直純、小林研一郎、井上道義、高関健、小泉和裕、山下一史、佐渡裕……そして新世代の指揮者たち。オケではNHK交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー管弦楽団と新日本フィルハーモニー管弦楽団などなど。非常にコンパクトにまとまっていてわかりやすく、特に日本におけるクラシックの発展で小澤征爾の果たした役割にかなり力を入れている。私は実は実演で小澤征爾指揮の演奏を聴いたことはなく、CDなどでしか接することはなかったんやけれど、大量の録音のわりにあまりその演奏でぐっと来たことがないので、なんで世間で小澤小澤と騒がれていたかよくわからなんだんやけれど、本書を読んでその理由がやっとわかりました。ただ、演奏するというだけやなく、人脈を広げ、人材育成のための組織を作り、そこから多くの音楽家が生まれ育っていったという、そこでの貢献度がかなり高かったんやね。巻末には本文で触れられなかった地方オケや指揮者のお薦めCDが紹介されているのも嬉しい。ただ、紙幅の問題もあって、もっと突っ込んだ記述がほしいという部分もあったけれど、入門書としてはこれ一冊で十分。思うていたほど日本のオケについて私は知らなんだんやなあ。著者の日本のクラシック音楽界に対する愛情がひしひしと感じられた。
クローディアの秘密 [読書全般]
今日は始業式。インフルエンザの流行もあり、昨年末の終業式と同様、教室で放送を聞くという形で行われる。で、2時間目から通常授業。出勤2日目でいきなり3時間の授業。そして出欠入力は新システムに切り替えのため、その手順をマニュアルを見ながら行うなどちょっとてこずる。そらまあ疲れますわなあ。
定時に退出し、梅田で書店に寄ったりしてから帰宅。しばらく読書。夕食後は社説のダウンロードなど。なぜかスマホがネットに接続しにくくなっていて難渋する。気がつけば寝落ち。そらまあ疲れてますからなあ。
明日からまた休みが続く。それもあってよけいに緊張感が切れて疲れがどっと出たか。
E.L.カニグズバーグ/松永ふみ子・訳「クローディアの秘密」(岩波少年文庫)読了。1970年代に書かれた児童書。あと少しで12歳になる少女クローディアと9歳の弟ジェイミーは綿密な計画を立てて家出を決行。ニューヨークのメトロポリタン美術館に潜り込み、そこで寝泊まりをすること1週間。おりしも美術館ではミケランジェロの作かもしれないという天使像が大人気。クローディアとジェイミーの姉弟はその天使像の秘密を探り始める。そしてついにその天使像をオークションに出品した老婦人のもとへ……という話。子どもたち2人の、大人から見たら無謀な、しかし彼女たちにとってはワクワクするような冒険の日々が綴られる。大人にしたらあっという間の1週間やけれど、子どもたちにとっては濃密な1週間。そのわくわくする日々を聞きたがる老婦人の存在は、読んでいる自分にも重なる。そう、子ども時代に読んでいたとしたら、全く読み方が変わっていたことやろう。「秘密」を持つことのワクワクする気持ちを持つ少女たちと、それを見守りながらもそのワクワクを知りたい老婦人の対比が、本書をただの子どもたちのいたずらに終わらせないものにしている。失われつつある童心を思い起こさせてくれる、おっさんとしてはなんか気持ちのよい佳作。作者のほかの作品も岩波少年文庫から刊行されていたんやけれど、残念ながら本作以外は絶版。執筆当時、子どもを育てている真っ最中の若い母親やった作者が、他にもどんなものを書いているのか興味深かったんやけれど、わざわざ古本を探して読もうかというほどの気持ちにまではなれんなあ。それでも子どもたちの冒険心を肯定する作者の視線は読んでいて心地よかったね。
定時に退出し、梅田で書店に寄ったりしてから帰宅。しばらく読書。夕食後は社説のダウンロードなど。なぜかスマホがネットに接続しにくくなっていて難渋する。気がつけば寝落ち。そらまあ疲れてますからなあ。
明日からまた休みが続く。それもあってよけいに緊張感が切れて疲れがどっと出たか。
E.L.カニグズバーグ/松永ふみ子・訳「クローディアの秘密」(岩波少年文庫)読了。1970年代に書かれた児童書。あと少しで12歳になる少女クローディアと9歳の弟ジェイミーは綿密な計画を立てて家出を決行。ニューヨークのメトロポリタン美術館に潜り込み、そこで寝泊まりをすること1週間。おりしも美術館ではミケランジェロの作かもしれないという天使像が大人気。クローディアとジェイミーの姉弟はその天使像の秘密を探り始める。そしてついにその天使像をオークションに出品した老婦人のもとへ……という話。子どもたち2人の、大人から見たら無謀な、しかし彼女たちにとってはワクワクするような冒険の日々が綴られる。大人にしたらあっという間の1週間やけれど、子どもたちにとっては濃密な1週間。そのわくわくする日々を聞きたがる老婦人の存在は、読んでいる自分にも重なる。そう、子ども時代に読んでいたとしたら、全く読み方が変わっていたことやろう。「秘密」を持つことのワクワクする気持ちを持つ少女たちと、それを見守りながらもそのワクワクを知りたい老婦人の対比が、本書をただの子どもたちのいたずらに終わらせないものにしている。失われつつある童心を思い起こさせてくれる、おっさんとしてはなんか気持ちのよい佳作。作者のほかの作品も岩波少年文庫から刊行されていたんやけれど、残念ながら本作以外は絶版。執筆当時、子どもを育てている真っ最中の若い母親やった作者が、他にもどんなものを書いているのか興味深かったんやけれど、わざわざ古本を探して読もうかというほどの気持ちにまではなれんなあ。それでも子どもたちの冒険心を肯定する作者の視線は読んでいて心地よかったね。
黒牢城 [読書全般]
今日は仕事始め。私と同様に今日が仕事始めの方は多かった。久しぶりに職員会議に出る。通常の職員会議は私の定休日と必ず重なってるから、何か月も職員会議には出てへんのです。
明日から早速授業があるので、その準備をしたり、たまっているプリントのチェックをしたりというのが私の仕事始め。ずっと毎日だらだら過ごしていたんで疲れたなあ。東京に行ってきた方やら奄美大島やら韓国やらのお土産のお菓子がどっさり。私は年末に梅田で買い物をしたのと正月に実家に日帰り帰省したくらいで、土産物を買うというような外出はしてへんからね。もろうてばっかりは何ですなあ。まあ、3月には相撲を見に行くから、そこで土産を買うくらいか。
定時を過ぎても空は明るい。日没の時間がだんだん遅くなってきているんやなあ。でも風が強くて寒かった。
帰宅後は社説のダウンロードやら読書やらで過ごす。明日出勤したら、またしばらく休みやな。だらだら生活はまだ続くか。
米澤穂信「黒牢城」(角川文庫)読了。あの「古典部シリーズ」や「小市民シリーズ」など学園ミステリ中心の作者が戦国時代を舞台に書いた歴史ミステリ。直木賞を受賞している。主人公は織田信長を裏切った荒木村重。黒田官兵衛を地下牢に閉じ込めていたことで知られる。戦支度をしている中で、人質の少年が射殺されたが、凶器の矢が見つからない。村重は地下牢の官兵衛に知恵を出してもらい解決する。城の中では次々と不可思議な殺人が続き、そのたびに村重は官兵衛の知恵を借りることになる。そして、それらの殺人が重なる中で毛利の援軍が絶望的になり、村重は人心が自分から離れていくのを感じ始める。その陰で動く何者かがいるが、それが誰かはわからず…という話。荒木村重と黒田官兵衛の話はいろいろな戦国ものに登場するけれど、その史実をうまく活用し、城内で起こる事件の謎ときと、次第に村重を追い詰めていく謎の存在がうまくリンクし、追い詰められた村重がなぜ城を放棄したかという史実に対する答えも、そして黒田官兵衛という希代の策士の執念の源泉も解き明かしていく。その構成は見事の一語に尽きる。ただ、歴史小説を専門に書いている作家でないので、戦国時代の持つ独特の雰囲気があまり感じられないのがちょっと食い足りない。戦のむごたらしさなどを描き切れてないのですね。荒木村重にしても黒田官兵衛にしても作者はその人物像をしっかりと描いているにもかかわらず、今一つ深まってこない。ここらあたりは今村翔吾とか朝井まかてとか木下昌輝などを読んでいる時に感じる「凄み」はない。むろん作者の作風からしてそういった「凄み」をえぐり出すようなタイプではないから、ないものねだりかもしれんのやけれど。どうしてもミステリのテクニックの方に気がいってしまう。ただし、作者の狙いは謎解きにあるんやろうから、それはそれで十分に楽しめる。戦国ミステリというあまり描き手のいないところに目をつけたあたり、なかなかやるなあと感心した次第。
明日から早速授業があるので、その準備をしたり、たまっているプリントのチェックをしたりというのが私の仕事始め。ずっと毎日だらだら過ごしていたんで疲れたなあ。東京に行ってきた方やら奄美大島やら韓国やらのお土産のお菓子がどっさり。私は年末に梅田で買い物をしたのと正月に実家に日帰り帰省したくらいで、土産物を買うというような外出はしてへんからね。もろうてばっかりは何ですなあ。まあ、3月には相撲を見に行くから、そこで土産を買うくらいか。
定時を過ぎても空は明るい。日没の時間がだんだん遅くなってきているんやなあ。でも風が強くて寒かった。
帰宅後は社説のダウンロードやら読書やらで過ごす。明日出勤したら、またしばらく休みやな。だらだら生活はまだ続くか。
米澤穂信「黒牢城」(角川文庫)読了。あの「古典部シリーズ」や「小市民シリーズ」など学園ミステリ中心の作者が戦国時代を舞台に書いた歴史ミステリ。直木賞を受賞している。主人公は織田信長を裏切った荒木村重。黒田官兵衛を地下牢に閉じ込めていたことで知られる。戦支度をしている中で、人質の少年が射殺されたが、凶器の矢が見つからない。村重は地下牢の官兵衛に知恵を出してもらい解決する。城の中では次々と不可思議な殺人が続き、そのたびに村重は官兵衛の知恵を借りることになる。そして、それらの殺人が重なる中で毛利の援軍が絶望的になり、村重は人心が自分から離れていくのを感じ始める。その陰で動く何者かがいるが、それが誰かはわからず…という話。荒木村重と黒田官兵衛の話はいろいろな戦国ものに登場するけれど、その史実をうまく活用し、城内で起こる事件の謎ときと、次第に村重を追い詰めていく謎の存在がうまくリンクし、追い詰められた村重がなぜ城を放棄したかという史実に対する答えも、そして黒田官兵衛という希代の策士の執念の源泉も解き明かしていく。その構成は見事の一語に尽きる。ただ、歴史小説を専門に書いている作家でないので、戦国時代の持つ独特の雰囲気があまり感じられないのがちょっと食い足りない。戦のむごたらしさなどを描き切れてないのですね。荒木村重にしても黒田官兵衛にしても作者はその人物像をしっかりと描いているにもかかわらず、今一つ深まってこない。ここらあたりは今村翔吾とか朝井まかてとか木下昌輝などを読んでいる時に感じる「凄み」はない。むろん作者の作風からしてそういった「凄み」をえぐり出すようなタイプではないから、ないものねだりかもしれんのやけれど。どうしてもミステリのテクニックの方に気がいってしまう。ただし、作者の狙いは謎解きにあるんやろうから、それはそれで十分に楽しめる。戦国ミステリというあまり描き手のいないところに目をつけたあたり、なかなかやるなあと感心した次第。
天山の巫女ソニン5大地の翼 [読書全般]
今日から職場では仕事始め。ただ、私は年次休暇をとって正月休みを1日のばしました。こういう時期やないと年休は消化でけへんからね。朝から雨。初出勤の日に雨やとしんどかったやろうから、年休をとっていて正解。偶然とはいえついてます。
午前中は昨夜録画した深夜アニメ「全修」やら「劇場版 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった」、「劇場版 ボルテスVレガシー」などを見る。さすがに劇場版を2本も見ると疲れますな。
昼食に餅を食し、それから午睡。夕刻目覚めて社説のダウンロードなどをしてからひたすら読書。夕食をはさんで読書の続き。晴読雨読ですわ。読めるときに読んどかんとね。明日はちゃんと出勤します。きちっと切り替えんと。
菅野雪虫「天山の巫女ソニン5大地の翼」(講談社文庫)読了。本伝の完結編。ついに巨山王は沙維への侵略戦争を始める。江南とは同盟を結び、巨山の軍に補給物資を提供させる。クワン王子は同盟に反対するが、そのため謹慎の身に。イウォル王子はクワン王子をひそかに沙維に亡命させる。一方巨山のイェラ王女は父のたくらみを阻止するため、沙維と戦いながら、わざと敗走する。長引く戦争を終結させるために、イウォル王子とクワン王子、そしてイェラ王女の打った手とは。そしてそこでのソニンの役割は……という話。力を誇示するために自国の少数民族を酷使することもいとわない巨山王。江南の第一王子ハヌルに失望し、同盟を盾に戦力を要求する巨山の態度に厭戦気分の漂う江南の民。民に寄り添うことで沙維をまとめあげるパロル王と三国の様子が描かれるが、移ろいやすい民衆の世論の不確かさや、自分というものをしっかりと持っているものの強さなど、作者が社会というものをしっかりととらえていることがよくわかる。しかも、それを児童文学という形で幼い読み手に対してもちゃんと理解できるように記していく作者の手腕は見事というしかない。なによりもソニンという主人公が、自分の弱さを認めたうえで何ができるかを模索していく姿や、常に自分のできることを考えて行動に移す友人のミンなどの人物造形も確かなもの。3つの国の関係の変化を5冊というシリーズものとしては比較的少ない巻数できっちりとまとめ上げる構成力も素晴らしい。本伝はこれで完結したけれど、外伝が2巻あるので、まだこの魅力的な登場人物たちとは別れないですむのは嬉しい。できればイウォル王子とクワン王子、そしてイェラ王女とソニンの大人になった姿も知りたい。作者の中では完結しているんやろうから、それは無理としても、そう思わせるだけのシリーズであることには違いない。
午前中は昨夜録画した深夜アニメ「全修」やら「劇場版 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった」、「劇場版 ボルテスVレガシー」などを見る。さすがに劇場版を2本も見ると疲れますな。
昼食に餅を食し、それから午睡。夕刻目覚めて社説のダウンロードなどをしてからひたすら読書。夕食をはさんで読書の続き。晴読雨読ですわ。読めるときに読んどかんとね。明日はちゃんと出勤します。きちっと切り替えんと。
菅野雪虫「天山の巫女ソニン5大地の翼」(講談社文庫)読了。本伝の完結編。ついに巨山王は沙維への侵略戦争を始める。江南とは同盟を結び、巨山の軍に補給物資を提供させる。クワン王子は同盟に反対するが、そのため謹慎の身に。イウォル王子はクワン王子をひそかに沙維に亡命させる。一方巨山のイェラ王女は父のたくらみを阻止するため、沙維と戦いながら、わざと敗走する。長引く戦争を終結させるために、イウォル王子とクワン王子、そしてイェラ王女の打った手とは。そしてそこでのソニンの役割は……という話。力を誇示するために自国の少数民族を酷使することもいとわない巨山王。江南の第一王子ハヌルに失望し、同盟を盾に戦力を要求する巨山の態度に厭戦気分の漂う江南の民。民に寄り添うことで沙維をまとめあげるパロル王と三国の様子が描かれるが、移ろいやすい民衆の世論の不確かさや、自分というものをしっかりと持っているものの強さなど、作者が社会というものをしっかりととらえていることがよくわかる。しかも、それを児童文学という形で幼い読み手に対してもちゃんと理解できるように記していく作者の手腕は見事というしかない。なによりもソニンという主人公が、自分の弱さを認めたうえで何ができるかを模索していく姿や、常に自分のできることを考えて行動に移す友人のミンなどの人物造形も確かなもの。3つの国の関係の変化を5冊というシリーズものとしては比較的少ない巻数できっちりとまとめ上げる構成力も素晴らしい。本伝はこれで完結したけれど、外伝が2巻あるので、まだこの魅力的な登場人物たちとは別れないですむのは嬉しい。できればイウォル王子とクワン王子、そしてイェラ王女とソニンの大人になった姿も知りたい。作者の中では完結しているんやろうから、それは無理としても、そう思わせるだけのシリーズであることには違いない。
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