年月を経て変わる耳 [音楽]
ここのところ「名盤アワー」用に音頭ばかり聴いていて、食傷してしもたんで、久しぶりにクラシックのCDをパソコンのディスクドライブのトレイに入れる。なにを聴こうかとやや迷い、やけっぱちなくらい景気よくて、かつ暗いというような曲にしようと思いつき、ショスタコーヴィチの交響曲を聴くことにした。
いつもバーンスタイン&ウィーン・フィルの6番やムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの10番、ショルティ&ウィーン・フィルの9番あたりを好んで聴くんやけれど、今日はインバル&フランクフルト放送響のCDにする。なんとなく手近にあったので。これはずいぶん前に聴いたきりのCDで、確か前に聴いたときには物足りなかったような気がしたもの。
いやいや、確かに軽めの演奏ではあるけれど、その軽さが「実はショスタコーヴィチって、可愛くって朗らかなメロディを作る音楽家なんだよ」と教えてくれるような仕上がりになっている。なんと、おもしろいやないか。
そういえば最近、昔はただやかましく無神経なだけやと思うていたショルティの演奏が、むやみにおもしろく聞こえるようになってきたなあ。好きになったわけやないけれど、ショルティのドッスンバリバリドッスンドッスンという響きをいかに楽しむかという方法がなんとなくわかったような感じかな。
なんだかなあと思うてずっと聴かずにいたCDはまだまだある。多少はクラシックの楽しみ方に気がついてきたのかもしれん。好きとか嫌いとかいう前に、名演の凡演のという前に、そこで奏でられる音そのものに素直に耳を傾けるようになったのかもしれん。
いやそれにしても「名盤アワー」で没にした画一的で退屈な「音頭」で耳が麻痺したと思うていたけれど、まあそれほどでもなかったようで、まずはよかった。
と、書き終えたところで、このホームページを開設してちょうど10年分の日記を書き終えたことになる。明日からは11年目に突入です。まだしばらくは書き続けられそうなので、これからもご愛読をよろしくお願いいたします。
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