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「せをはやみー」 [テレビ全般]

 JOBK製作の朝ドラ「ちりとてちん」で、今週は、若手の落語家、徒然亭草々が「崇徳院」の稽古をするシーンがたびたび出てくる。草々を演じるのは青木崇高さんという俳優。下手やないんやけど、こと落語となると芝居がかった感じになってしまう。落語家の語り口調にならんのである。これは師匠草若役の渡瀬恒彦さんもそう。まあしかし、これはそういうものと割り切ってみたら、これは苦にならん。
 ところがですね、草々の元兄弟子である草原役はなんとほんまもんの落語家で、しかも若手のホープとして期待も大きい桂吉弥さんやねんな。ここに本職を持ってくるのがいかに危険か配役の段階でわからなんだんやろうか。
 今日の話では、落語をやめていた草原が主人公の説得などでついに落語家復帰しようと心を決める場面があった。ここで、草原は「崇徳院」の「せをはやみー、いわにせかるるたきがわのー」というセリフを突然口にする。
 落語そのものなんですな。役者がいかに落語家の口調を真似ようと、それはやっぱり演技でしかないという事実を改めて突きつけられ、せっかく芝居は芝居と割り切って見ていたのに、こと落語のシーンだけは我に返ってしまうのです。ここに本職を持ってきたのには理由があるんやろうけれど。
 虚構と現実の関係というのはほんまに難しい。それを思い知らされた「せをはやみー」でありました。


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