ますます教員不足に? [教育]
読書感想文「お帰りなさい朝青龍」(内館牧子)を新規更新しました。
今日から大学ではセンター入試。私が教えている生徒の中にも受ける者がいてるんやろうなあ。なにしろ知的障害生徒の自立支援コースの担当者になってから、一般の生徒
と接する機会がかなり少なくなってきたからね。
志望大学の調査結果が朝日新聞に書いてあり、資格よりも就職有利という志望学部の傾向が見えてきたとあった。そして、気になる一文が。以下、引用。
“逆に、前年に続いて人気を大きく落としそうなのは教育学(教員養成課程)系。教員免許更新制の導入など、取り巻く環境が厳しくなるとの予測が受験動向にも影響を与えているようだ”
あらら。教員なんて苦労しても苦労しても報われない仕事やと、あるいは教員にならないにしても、10年たったら紙くず同様となるような役にたたへん資格なんか無理してとる必要はないと。つまりそういうことですな。
国会議員やら中教審やら再生会議やらは現場の教師を叩くことで「私たちは教員の資質向上に寄与した!」とマス・メディアにアピールしたつもりなんやろうけれど、現職の教員を苦しめるということは、つまりなり手がなくなるようにするということなんやと、そういうことですよ。「デモシカ教師」がいなくなるという向きもあるかもしれんけれど、この20年ほどは少子化のあおりを受けて教員採用試験の競争率なんか東大に入るよりも難関やったりする場合もあるんやで。「デモシカ教師」なんか採用の時点で淘汰されてるわい。
というわけで、「教員の資質向上」のために免許更新や研修をやたら増やしたりすることによって起こる弊害は、教員志望者を減らすということにもなるのです。正直、教員予備軍の層が厚くならないと現場が手薄になる。産休や不測の事故、あるいは問題に対する手厚い対応という要求にこたえるために非常勤講師の必要性はますます高まっている。その時に免許を持ったやる気のある志望者がたくさんいてへんと困るんや。
現場を見るよりも机上の空論でマス・メディアに受ける「改革」は、こんなところにまで影響をおよぼしているのでした。そして、この法案を通した国会議員も中教審や再生会議のメンバーも、誰一人教員志望者減少に対する責任はとらんのやろう。
やりきれませんわ、ほんまに。
1月20日(日)は「たちよみの会」の例会です。今月は新年会をしますので、多数のご参加をお待ちしています。
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