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マンガ週刊誌の戦略 [時事ネタ]

 朝日新聞のニュースサイトでこんな記事を見つけた。「マガジンとサンデー、共同で漫画発行へ」というもの。以下、記事より引用する。

“週刊少年マガジンと週刊少年サンデーが来年、同時に創刊50周年を迎えるのを記念し、両誌の出版元である講談社と小学館が、共同して少年向け漫画雑誌を発行する。今年4月から月2回刊で半年間、計12冊刊行する。
 内容は、マガジンで不定期連載している「金田一少年の事件簿」と、サンデーで連載中の「名探偵コナン」の過去の作品を再編集したもの。雑誌名は「コナン金田一 増刊」を予定している。(中略)両誌は59年の創刊で、高度成長期以降の少年漫画誌をリードしてきた。しかし、ゲームやインターネットなど子どもの娯楽が多様化し、漫画離れが進んだ。
 マガジンの部数は97年に最高425万部だったのが、現在は187万部。サンデーは、80年代に200万部台だった部数が93万5000部まで落ち込んでいる。全盛時には650万部に達していた週刊少年ジャンプも、現在は約280万部だ(後略)”

 これだけ読むとマンガそのものが不人気になっているかのような印象を受けるけれど、コミックスの売り上げは雑誌ほどには落ちこんでないらしい。つまり、これはテレビ番組がビデオデッキやHDDレコーダの普及により番組を選んで録画して見るようになって視聴率だけが人気の指標となりえなくなったのに少し似ているように思う。
 昔は雑誌を読んで面白いと思ったものだけ単行本をそろえて何度も繰り返し読むというのが、マンガの楽しみ方やった。そんな中で人気の高いものだけが選ばれてアニメ化されたりした。
 現在、アニメ化されるマンガは確かに人気があって面白いものやろうとは思うけれど、長期連載で単行本もかなり巻数が増えてからアニメ化するという昔の形をとるものばかりやないようや。とりあえず1クールだけでもアニメ化できる分量があればいい。それを放送し、DVDや原作の単行本の売り上げをのばすという戦略がとられているものが多い感じがする。
 つまり、コミック単行本を買うのは雑誌の購買層だけに限らなくなってきたということやろう。テレビアニメをプロモーション用に製作し、多様なメディアで人気を拡張していくという戦略がとられるようになっていると、ここらあたりはアニメを熱心に見ている方たちなら、素人(私もそうですが)でもわかる構図ですね。
 で、そういう層は雑誌は買わん。単行本だけを買う(私がそうです)。雑誌を買うのは、従来どおりなんとなく毎週買ってなんとなく楽しむ層と、新しいマンガの情報を常にキャッチしようという層に大きく分かれているんやないかと、これは私の勝手な推測ですが。
 そこで長年ライバルとなってきた小学館と講談社も手を組み、「天才バカボン」の「マガジン版」「サンデー版」という傑作選の単行本を出してみたり、今回のような企画を立ててみたりしているんやろう。
 ながら視聴対象者を相手にお手軽番組を垂れ流すようになったテレビと違い、マンガ週刊誌は読者に買うてもらわんと生きていかれへんから、いろいろと工夫せんならんのやろう。そういう話題づくりが果たして今後のマンガ週刊誌をどう変えていくか、もうしばらく様子を見てみたいところですね。

 諸般の事情で明日の日記はお休みします。次回更新は金曜深夜の予定です。

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