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喜多哲士はなぜ毎日ぼやいているのか [読書全般]

 最近感想文の更新をさぼっているけれど、それなりに本は読んでいるのです。「必死のパッチ」(桂雀々)やとか、「頑固力」(岡田彰布)やとか話題の新刊はきっちりおさえてますからね。
 で、最近読んだ本で気になるタイトルなのが「落語家はなぜ噺を忘れないのか」(柳家花緑)やね。内容は、花緑師匠が落語をどのように身につけてきたのか、人から教わったものを自分のものとして消化吸収していくためにどうしているのかという、いわば手の内をさらすもので、ほんまに面白かった。ただ、タイトルの「落語家はなぜ噺を忘れないのか」は「あほか」としか思わなんだ。こういう問いかけに対しては、結局は「ネタをくる」という答えしかないやんか。
 なんていうんかなあ、この手のタイトルはもうええよ。特に「落語家はなぜ噺を忘れないのか」なんていうのは、「駅売店の店員はなぜ商品の金額を忘れないのか」やとか「英語の教師はなぜ英単語を忘れないのか」やとか「経理の担当はなぜ計算ソフトの使い方を忘れないのか」やとか「八百屋はなぜ野菜の名前を忘れないのか」やとか「指揮者はなぜスコアの読み方を忘れないのか」やとか「力士はなぜ相撲の取り方を忘れないのか」やとか……しつこいですか。つまりそれを職業としている人としては当然のことをたずねているだけなんやね。
 なんで編集者がこういうタイトルをつけたがるか。まさか大半の読者が職業として当然のことがでけんで、当然できなあかんことを身につけるにはどうしたらええのかと苦しんでるという実態でもあるなんていうんやないでしょうね。そこまで日本人のレベルは落ちてるんやろうか。
 そうとでも考えんと、こんな面白みのないタイトルの本が横行することはないよね。
 それにしても面白い内容の本やのに、こんなタイトルをつけられて、花緑師匠が気の毒ですわ。ほんまに。

明日、11/16(日)は「たちよみの会」の例会です。多数のご参加お待ちしています。

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