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赤と黒 [読書全般]

 先日勤務校の図書室の当番で生徒たちが何もかもやってくれるもんやから手持無沙汰になって文庫の棚の前で手当たり次第に抜き出してはぱらぱらとめくっていた。
 これまで私はいわゆる「古典名作」的なものはそれほど手を出してなんだのですね。出していたとしても小学校高学年むきにリライトされたものしか読んどらんとか、その完訳本を大人になってから読み直したとか、そういう程度。
 「レ・ミゼラブル」「西遊記」「水滸伝」「罪と罰」なんてのはそんな感じで大人になって完訳本を読んだ。SFでは「宇宙戦争」「マラコット深海」「80日間世界一周」あたりがそう。
 で、「そういうたら『赤と黒』てどんな話やねん」と光文社文庫の「古典新訳」シリーズを手にとった。ぱらぱらと読みだした。先入観一切なし。スタンダールという著者の名前と書名しか知らなんだ。
 おもろいやん。
 困窮から聖職者になるという手段でなんとか脱出しようという野心家でありまたナポレオンに心酔する理想家である主人公が、貴族の家に家庭教師に入るのね。で、そこに純粋無垢な貴族の奥さんがいてて、主人公のことを好きになったりして、またそれを利用したろうと思うてた主人公もついつい本気になって……。そのあたりの心の移ろい方やとか、ナポレオン失脚後の王政復古時代の政情を背景にした人々の暗闘やとか、いやあおもろいおもろい。
 さっそく上巻を借り出して、昨日今日で全部読んでもうた。しもた、下巻も借りとくんやった。
 フランスの場合、演劇ではメロドラマの伝統があったりするわけで、小説もまたその影響を受けているんやなあ。そういえば「レ・ミゼラブル」も岩波文庫版を全巻1週間くらいで読破したっけ。あれもめっぽう面白かった。
 「古典名作」という形で残ってるものにはやっぱりそれだけの理由があるのですな。
 手持ちの未読本も大量にあるのに、これ、しばらく続きそう。うーむ。

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