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恐ろしい条例案 [時事ネタ]

 漫画「ドラえもん」には、ときおりしずかちゃんの入浴シーンが描かれる。しずかちゃんという子はよほど風呂好きらしく、そんな時間に風呂に入るかという時に湯船につかっていたりする。のび太はまさかしずかちゃんがそんな時間に風呂に入っているとは思われんから、便利な道具の効果を試しにいく。そこで風呂場にいるしずかちゃんから抗議を受けるんである。
 その理不尽さはおくとして、問題はしずかちゃんの入浴シーンである。私は別にそのシーンを見ても劣情をかきたてられたりはせんが、警視庁の警察官の中には入浴シーンで身悶え赤面発汗動悸息切れ眩暈を起こすほど欲情する者がいてるかもしれん。そんな奴おらんという人もいるかもしれんが、可能性が0%と言い切る確証なんかはあらへんやろう。
 で、東京都で現在審議されている青少年の健全な育成に関する条例案が可決されたら、そんなしずかちゃんの入浴シーンは青少年の劣情を喚起すると指摘して「ドラえもん」を有害図書として発売禁止指定をすることも可能なんである。
 かつて手塚治虫先生は「この漫画は1ページの中に拳銃が10回も出てくる」などという物語の持つ意味とは全く無関係な理由で「漫画は有害」と糾弾され、漫画の市民権獲得のために戦うた。
 本質的なところが理解できず表面的なことだけで「青少年の健全育成」を錦の御旗に言論弾圧を加えることのできる条例が東京で可決してごらん。イシハラ知事の真似しをしたがるわが府知事も「僕も7人の子どもをもつ親ですから」とかなんとかいうてそういう条例をつくるよう広言するかもしれん。
 まあ「ドラえもん」が発売禁止指定を受けることはないやろうけれど、美少女が色っぽいポーズをとったりする漫画やアニメが東京都と大阪府だけで見られなくなったりするかもしれんのですな。
 一握りの人間が「良識」を振りかざして「これあかんあれあかん」ときめつけるというのは、明らかに全体主義的発想やと思うし、そんな恐ろしい条例が可決されようとしているのに一切問題として紙面に取り上げようともせん大新聞にもぞっとする。
 そのうち日本からは「寛容」という言葉は消えてしまうんやないやろうか。そして「寛容」という言葉が死語となるような社会に、私は住みたくない。

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