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メディアリテラシーの好例 [教育]

 来年度の1年生に向けて、いかに「メディア・リテラシー」感覚を身につけさせるかという話を同僚としていた。
「例えば、阪神と巨人の試合でサヨナラの試合があって、それをデイリースポーツとスポーツ報知の第一面を並べて見せて、視点によってこれだけ見出しが変わるというようなことをわかりやすく示してやったらどうですかね」と、同僚。
 ……彼は昨日の試合結果を知っていてそんなことを言うているのか……いやいや、彼はもともとタイガースファン。最近は野球に興味がないんでただ単純に結果を知らんだけやろう。それにしても、タイガースがサヨナラ負け、しかも絶対的なストッパー藤川球児がサヨナラホームランを打たれた翌日にそういうことを思いつくとは……。
 心の中でぼそぼそとつぶやきながら、実際にもぼそぼそと口に出す。
「えーと、昨日の試合、ちょうどそういうシチュエーションなんやけど……」
「ほんまですか!」
 もうタイガースの勝敗に心を動かされることの亡くなった元ファンの同僚は「ではさっそく」と近辺のコンビニに新聞を探しに行った。
「ありましたよ、ぴったりのが」
 彼は「古城サヨナラ弾、原監督スッキリした」という見出しとはしゃぐジャイアンツの選手たちがでかでかと一面に躍るスポーツ報知と「球児、悪夢のサヨナラ被弾」の見出しとライトスタンドを見つめて呆然とする藤川球児の写真がどーんと載せられているスポーツニッポンを手に職場に帰ってきた。
 両スポーツ紙の一面をデジカメで撮影した彼は「あとは先生にあげます」と屈託のない表情で新聞を私に手渡した。
 うーうーうー。くやしいけれど、確かにこれは報道の視点という問題を強烈に示してくれるええ例やなあ。私は実物を手元に置いておくことにしよう。
 あんなもんを職場の書棚に差しておいたせいか、今日もタイガースは完敗。明日も負けたら新聞は捨ててやるぅ! そして次に甲子園でタイガースがジャイアンツにサヨナラホームランで勝つまで待つんだい。

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