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闇からの声 [読書全般]

 別に仕事中毒というわけやないけれど、特に計画も立てずに10連休に突入したもんやから、仕事にでもいかんと生活にメリハリというものがないなあ。こういう機会やから書きものをすればええとは思うけれど、なんかまだ機が熟してないというのか、短いものを書くにしても煮詰ってへんのでかかれへん。締め切りが迫ってるとかいうわけでもないしねえ。
 というわけで、今日は朝、深夜アニメの録画を見たあとしばらく落語をDVDにダビングしたりしながら読書。午後は午睡となんかしまりのない一日。テレビをつけても「さようなら平成、こんにちは令和」というような番組ばかり。昼食時にチャンネルホップしていたら、さすがにEテレだけは「知恵泉」なる歴史番組をやってました。
 夜はテレビでプロ野球観戦。ナイターはタイガース対カープの試合のみ。平成最後の試合というわけです。平成最後の勝利投手はタイガースの秋山拓巳投手。平成最後のホームランはカープのバティスタ選手。平成最後にマウンドに上がった投手はタイガースの岩崎優投手。平成最後の打者はカープの會澤翼捕手。それがどうしたといわれたらそれまでですが。
 イーデン・フィルポッツ/橋本福夫・訳「闇からの声」(創元推理文庫)読了。まだまだしつこく読みます古典ミステリ。退職した元刑事が事件簿を書くために投宿したホテルで、子どもの悲鳴を聞く。しかしそこには誰もいない。同宿の老婦人から、1年以上前に子どもがその部屋で死亡していたという話を聞く。刑事は犯罪であると判断し、子どもを死に至らしめた叔父たちの有罪を立証しようと動き始める。根拠もへったくれもなく独自に捜査を始める退職刑事というのは困ったものやけれど、それをたきつけた老婦人もそうとうなものですね。それはともかく、手口などもほぼ見当がついた犯罪を立証するために、刑事は犯人たちに心理戦を挑む。じりじりと相手を追い詰めていくあたりの描写はなかなか面白い。「赤毛のレドメイン家」の犯人と同様、本書の主犯も人の命をなんとも思わない人物として描かれる。今風にいうとサイコパスなのですね。サイコパスに対して刑事がどういう心理戦を挑むのかが面白さのキモになっている。私としては「赤毛のレドメイン家」よりもこちらの方が面白かった。20世紀初頭のサイコパスのとらえ方に興味のある方にお薦めです。

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