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東日流外三郡誌 [読書全般]

 愛すれどTigers「菅野撃ち10得点も、カープには3連敗」を更新しました。

 昨日外出した疲れが取れ切ってへんのかな。一日中眠かった。今日からお山の学校は定期考査。2時間連続テスト監督で、これがまた眠い。終わってから仕事部屋に戻ると、少しばかり意識を失うておりました。これはいかんと気力を振り絞り、午後はタブレットの故障チェックのお仕事にかりだされて、電源が入るか、ネットにつなげられるかなどのテストを行う。それが終わると、親睦会の会計の仕事で銀行や郵便局をまわる。定時に退散し、帰宅後すぐに相撲中継の録画を見る。
 貴景勝が昨日一日だけ再出場し、やはり今日から休場。先は長いんやから、焦ったらあかん。で、不戦勝の相手はなんと栃ノ心。先場所の入れ替え戦で大関陥落の憂き目を見た栃ノ心が、今場所は不戦勝で勝ち越しを決めることになるとは。めぐり合わせというのは面白いものですね。
 斉藤光政「戦後最大の偽書事件『東日流外三郡誌』」(集英社文庫)読了。と学会の本などでもおなじみの青森で起こった偽の古文書「東日流(つがる)外三郡誌」について、その顛末をずっと追い続けていた地元紙東奥日報の記者が、時系列に沿ってその時の状況を書きつづった貴重な記録。和田という人物が歴史の真相を書いた門外不出の古文書と称して役所に持ちこみ、村の作成した村史に掲載された。これに対して学者が自分の論文の一部を盗用し、史実をねじ曲げるのに悪用した著作権侵害である訴えたという事件を取材するうちに、著者はその古文書の欺瞞を紙面で暴いていく。
 本書の読みどころは、「東日流外三郡誌」なる古文書の欺瞞を暴いていく過程よりも、偽書を売りこむことによって振り回された人々の人間模様にあるというてもええやろう。村おこしのために祭りを作りたい役場の人たちの思惑を利用して偽のご神体を売りこんだりした和田という男の人物像を、その過去を探ることで浮き彫りにしていったり、「東日流外三郡誌」を本物だといった手前ひっこみがつかなくなり、最後まで擁護し続けた古代史家の古田武彦。その権威を利用する和田。そしてその影響はなんとオウム真理教にまで広がっていく。信じたいものしか見ない人間の悲しい性を、事件の顛末を書きつづることにより浮き彫りにしていく。そこが本書の読みどころ。歴史に興味のあるなしに関係なく非常におもしろく読めると思いますよ。

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ymgsm

集英社文庫の本、電子書籍で読みました。面白かったです。安彦表紙の本が出たのは知っていたのですが、偽史とか興味がないのでスルーしていました。ここでの紹介がなかったら読まなかったと思います。ありがとうございます。
by ymgsm (2019-05-24 03:36) 

t-kita

 書評家冥利に尽きるお言葉、嬉しく思います。もっともここ何年も書評の依頼などなく、新人賞の下読みくらいしかものかき関連の仕事はまわってこないのですが。
 これからも読んだ本はちょくちょく紹介していきますので、気が向いたら読んでみてください。
by t-kita (2019-05-25 00:00) 

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