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訴訟王エジソンの標的 [読書全般]

 今朝もゆっくり目に起床。午前中はテレビを友としたり、パソコンに向かい新聞サイトの社説巡回などを行う。相変わらず産経新聞の「主張」が面白い。“昨年は総理に対して「帰れ」と心ないやじがとんだ”と書いているけれど、そんなやじを飛ばされるようなことをしてきたということには触れないからねえ。心にもない「県民のみなさんに寄り添い」という言葉に対する返答やないのかなあ。
 昼食後、午睡。夕刻起きて追っかけ再生でプロ野球中継を見る。さすがにライオンズに対して3連勝というのは虫がよすぎたか。
 夜は読書。グレアム・ムーア/唐木田みゆき・訳「訴訟王エジソンの標的」(ハヤカワ文庫NV)読了。エジソンの直流か、ウェスティングハウスの交流かという米国の「電流戦争」を描いた歴史小説。ウェスティングハウスの弁護士であるポール・クラバスの視点から、発明王が実業家に仕掛ける大量の特許訴訟との戦いを描く。キーになるのはニコラ・テスラ。個人的な発明が組織的に変わっていく様子などを、スリルに満ちた筆致で描き出す。著者が巻末に書いているけれど、史実にのっとった上で潤色を加えている。どこに潤色を加えたかまでちゃんと巻末で説明しているのは、ノンフィクションとして読まれへんようにということなんやろうなあ。私は特に電力戦争についてさしたる関心があったわけやないけれど、米国が大きく変わる歴史の潮流を、「電力」「発明」「訴訟」というポイントを押さえながら描き出しているのをたっぷりと楽しむことができた。エジソンにしても、ステラにしても、著者はいくぶん突き放した視点で人物造形をしていて、それがまたおもしろい。米国の歴史にくわしくなくても十分楽しめる作品です。グラハム・ベルがちょろっと出てきてるんやけれど、それがまた効果的。どの国のどの時代に限らず、草創期の熱気というのはほんまに面白いですねえ。

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