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精霊の木 [SF]

 盆休み2日目。朝はいつもよりゆっくり目に起き、深夜アニメ「ギヴン」や今日の「なつぞら」を見る。話がまた十勝に戻り、なかなか東洋動画にもどらん。私はアニメ草創期をどう描いているかが関心の中心なんで、菓子屋の息子(「海賊戦隊ゴウカイジャー」のゴウカイブルーの人)が誰と結婚しようがどうでもええのんじゃ。
 今日もまた昼食前に寝、昼食後はパソコンに向かい、それから読書。一気に読み切ってしまい、次の本に手をつける。読書の夏であります。
 夕刻にはプロ野球中継を追っかけ再生で見る。早い回に大瀬良から4点も取ったんでこれはいけると思うたら、カープ打線の集中力はすごいなあ。たたみかけてくるもんなあ。1998年の横浜ベイスターズのマシンガン打線もかくやとばかり。大敗しましたよ、今日も。でもね、メッセンジャーが無事帰国してきたし、彼の復帰は大きいぞ。
 上橋菜穂子「精霊の木」(新潮文庫)読了。作者の30年前のデビュー作が文庫化。作者は私と同い年なんで、26歳でデビューしたのですね。その頃の私は、小説では同人誌からの転載ながら一応商業誌デビューもし、書評のレギュラーもすでにしていたなあ。ただ、「作家になるんだ」という執念みたいなものが違うたかもしれんなあ。それはともかく、まだ異世界ファンタジーというものが日本に定着する以前のデビュー作なんで、異世界を設定するのにSF的な舞台を使わんとあかんかったんやろう。人間が住めんようになった地球から脱出し、異星に原住民がいたら、移住のために滅ぼしてしまうという時代、滅びかけている異星人の血をひく少女が、異星人復活のために「精霊の木」を探しにいく、というもの。SFとして読んだら、おかしなところはいくつかあるけれど、作者の書きたかったのは異世界ファンタジーで、SF的な設定はいわば借りものでしかなかったんやろう。まだ20代半ばで、のちの上橋ワールドを貫く異文化の衝突を早くもテーマとして扱い、きっちりとした構成で組み立てているんやからたいしたものです。もし本書が発行された時に私が書評を書いていたら。SFとしての欠点をあげて酷評していたかもしれんけれど、「守り人」シリーズや「獣の奏者」、「鹿の王」などを読んで、そしてあらためてデビュー作として意識して読むと、のちの上橋ワールドの萌芽があちこちから読みとれて、感心してしまうのですね。そういう意味では、代表作を一通り読んでから、その原点を見るという意味での文庫化なんやろうなあと思うたのであります。

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