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太陽の帝国 [読書全般]

 台風一過というけれど、今日はそんな天気。吹き戻しで風がきつくなるんと違うかと心配していたけれど、夜など凪の状態。ただ、空気は湿っていたらしく、蒸し暑く、妻は洗濯物の乾きが悪いとぼやく。
 朝は録画した深夜アニメなどの番組を見てから、読書。パソコンに少し向かい、昼食を取る。その後午睡。今日もよう寝た。鼻ポンプはつけてても、熟睡はでけてへんのかな。昨日の夜は寝苦しかったもんな。
 夕刻起きてきて、また読書。それからプロ野球中継を見る。今日は東京ドームのジャイアンツ戦なんで、BS日テレ。1点差で惜敗。ただ、試合を押していたのはタイガース。ジャイアンツはたまたまドームランで取った2点の場面しかええとこなしやったのに、実況を聞いていたら大差でジャイアンツが勝ったみたいに聞こえる。ジャイアンツファンはああいう実況で満足するのかな。もし満足しているとしたら、どこかおかしいんと違うかな。青島幸男さんの著書に「だからジャイアンツファンはバカなのだ」(ごま書房)というのがあったけれどね。
 J・G・バラード/山田和子・訳「太陽の帝国」(創元SF文庫)読了。バラード自身の体験をもとに、戦時中の上海で浮浪児となった少年を主人公にその実像を描く。主人公のジムはどちらかというと日本びいき。捕虜として収容所に入れられ、ろくな食事も与えられてへんでも、日本人が自分たちを守ってくれていると信じたがっている。その日本人兵士が平然と民間の中国人を殺すさまも、終戦後、今度は日本兵を中国人が殺すさまも、そして租界生まれで裕福な育ちのジム少年が、浮浪児となり生きるために死体から当たり前のようにものを奪うさまも、虚飾なく描き出す。戦争が人間の心理をいかに狂わせていくかが、ジム少年の視点を通じてこれでもかこれでもかと描写される。バラードは被害者であるはずのジム少年を決して一方的な被害者として描いてへん。英国人やという意識も希薄なのは、租界で生まれ育ったからなのか。スピルバーグ監督によって映画化されているけれど、未見。またテレビで放送されるのを見つけたら録画しておこう。バラードのSFのテーマの原点がここにある。10代前半の多感な時期にこんな経験をしたら、そらぬくぬくと育った者とは価値観がまるで違うのも当たり前ですわなあ。

 8月18日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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