SSブログ

貧乏神あんど福の神 [読書全般]

 今日で前期の授業はすべて終了。来週の週明けからは考査などでしばらく授業はなし。ほっとしたのか気温の変化に体がついていかへんだけなんか、とにかくだるい。週明けの会議の時程調整や打ち合わせなどで少し残業。退出時には雨が降っていた。
 帰宅後、相撲中継の録画を見る。幕下では千代の国と照ノ富士という怪我で陥落した力士同士が相星対戦。もと大関の照ノ富士が敗れる。幕内では貴景勝が豪栄道の投げに足がついていかず3敗。これで4敗力士にも優勝のチャンスが巡ってきて優勝争いはますます混沌としてきた。貴景勝の怪我はやっぱりまだ完治してへんのやなあ。
 田中啓文「貧乏神あんど福の神」(徳間時代小説文庫)読了。新シリーズの開始。裏長屋に住む内職で生活する絵師、葛幸助は貧乏神と呼ばれ、花街で小判をまく謎のお大尽、お福旦那が福の神と呼ばれる。金に執着しない幸助をお福旦那が気に入り、大坂の町に起こる怪事件を二人が知恵を出し合うて解決するというもの。幸助の家にはキチボウシという厄病神が住み着いている。ミステリ風味の時代小説なんやけれど、登場人物はいろんな落語からいただいてきている。お福旦那が小判をまくのは「莨の火」の「飯の旦那」からそのままいただいているし、廓慣れしてへん男をたぶらかす女郎の小照は名前もそのまま「三枚起請」の小照をモデルにしている。丁稚の亀吉と番頭のやりとりなどは落語そのままの息やし、集英社文庫の「鍋奉行」「浮世奉行」シリーズよりも上方落語趣味が色濃く出ている。むろん落語を知らんでも楽しく読めるけれども、知ってたら思わずにやりとしてしまう。本書ではまだお福旦那の正体が明らかになってへんけれど、続巻が出たらそのあたりもおいおいわかるようになってくるんやろう。そのためには本書が売れてくれんとあかんわけで、続きが読みたいからみなさん買いましょう。別に田中さんから頼まれてるわけやないですよ。それにしても田中さんがこれだけ一般大衆向けの作品を次々と発表するようになるとは昔は想像もしてへんだなあ。そやからというて田中さんらしさが消えたわけやないのは(スーパーファンタジー文庫時代から)長年読んできた読者としても嬉しいことですね。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。