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生まれながらの犠牲者 [読書全般]

 今日は文化祭本番のため、土曜出勤。電車とバスのダイヤが平日とは違うので、乗り継ぎのタイミングなどがずれるのでやりにくい。それでも出勤時は通常と同じ時間帯にお山の学校に到着。夜半に降った雨はあがってはいたけれど、時折ぱらつく。
 今日のお仕事は食品模擬店の衛生チェック、模擬店の見回り、保健委員会展示の片付け、ゴミ捨て場の立ち番など。役割分担のない時は仕事部屋で事務作業。いつもならCDをかけて音楽を流しながら作業をするんやけれど、今日は外の廊下から琴の美しい音色が聞こえてくる。筝曲部の先生が指慣らしをしているのです。午前中はお琴の音色に包まれながら……という感じです。
 登板を無事こなし、定時に退散。それでもバスは土曜ダイヤなんで、結局待つことに。土曜出勤、来月もあるんですよねえ。
 帰宅後は妻と何本か録画した番組を見て過ごす。これということはしてへんのに、なんか疲れた。
 ヒラリー・ウォー/法村里絵・訳「生まれながらの犠牲者」(創元推理文庫)読了。母子家庭の13歳の少女が行方不明になる。母親は娘がもう帰ってこないとあきらめるようなことを言うが、フェローズ署長は部下たちにしらみつぶしに関係者のアリバイや目撃者の有無などを捜査するよう指示する。失踪した娘や、母親の過去が明らかになってきて、署長はついに真相に迫る。難解なトリックはない。そやけど、なんで娘が失踪したんかというところがわからんので、行き先も不明。殺されたにしても、なんで殺されたんかというところで容疑者が絞れん。タイトルの「生まれながらの犠牲者」というのは誰のことをさしているのか。実はそこが本書の一番のポイントになる。社会的弱者であることの悲劇というものが、このタイトルで示されているんやなあと、読了後、ため息とともに本を閉じた。謎解きの爽快さはない。でも、少女の失踪を鍵にした社会派ミステリという感じで、描かれているテーマは重い。新訳で復刊されるだけのことはある秀作ですね。

 明日、10月20日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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