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Wヤング 平川幸男の死 [追悼]

 休み明けの火曜日は例によって授業ぱんぱん。放課後、やっと一息つく。来年度の人権講演会の講師の手配などをしてから、定時に退出。
 帰宅後、大相撲を録画で見る。今日は上位陣は危なっかしかったけれど、なんとか連敗は阻止。それにしても白鵬は負けた翌日にはなりふり構わず勝ちにいくねえ。朝乃山を張り手で止めて、しがみつくように寄り倒す。この執念があるから優勝回数も史上最多を記録したんやなあ。なんやかんやというても横綱ですわ。
 今日は結婚記念日。25年目ということで、まあ銀婚式ということです。特に大層な祝いはせず、寿司とスイーツでささやかな銀婚式。金婚式を祝う時はどうなっているのか。想像もつきません。銀婚式すら結婚した時には想像もしてなんだものね。これからも末長く二人でいられますように。
 漫才師Wヤング 平川幸男さんの訃報に接する。享年78。
 私が中学生のころ、Wヤング(第一期)の大ファンやった。とにかくおもろかった。ボケと突っ込みが入れ替わり、テンポよい会話で笑ってしまう。相方の中田治雄さんは途中で吹き出してしもうたりするけれど、それも笑いに変えてしまう。中田さんがぼけると、平川さんは直接つっこまずに、観客に向かって「ちょっと聞いたあ?」と振って、それが絶妙なツッコミになる。今の漫才師にはこの絶妙な間がない。かと思うと平川さんのボケに間髪をいれずに中田さんがボケをかぶせ、平川さんがさらにボケて、中田さんがつっこむと「えらいすんまへん」と平川さんがギャグで落とす。最後は昔の万歳でよくあったしゃれづくしを現代風にテンポアップしてすべてしゃれで会話。あんなおもしろい漫才はあのころ他になかった。やすし・きよしはやすしさんの不祥事などもあってまず漫才そのものができなくなっていたしね。でも、何かというとやすしさんのギャンブルネタに走るやすきよ漫才よりも漫才としての完成度はWヤングの方が高かった。
 西川ヒノデ門下で、西川ヒデオ・ヒデ若の名前でコンビを組み、Wヤングとコンビ名を変えた時はサックスとギターを持った歌謡漫才。その時分のころの録音などは残ってるのかな。どちらにしても受けず、漫才作家の足立克己さんなどのアドバイスもあって楽器を手放し、しゃべくり漫才に転向して、それが当たった。
 私は今でも代表作の「ああ結婚」「県名づくし」などのネタを鮮明に覚えている。カセットテープに録音し、聞きおぼえるほど何度も繰り返し流していたものです。父にせがんで京都花月に連れていってもらい、生で聞いた時は嬉しかったなあ。「タクシー運転手」ネタをしていた。これは「お笑いネットワーク」のアーカイブに残されていて、DVD化もされている。「ああ結婚」は残念ながらDVDにもCDにも収録されてへん。
 B&Bもツービートも目標はWヤングやったという。澤田隆治さんが「花王名人劇場」でメインに起用しようともしていた。それやのに、中田治雄さんの自殺でこの名コンビは解消となってしまう。どんなにショックやったか。当時の東京のワイドショーで司会の女性がコンビの写真を見て「どちらが中田さんですか」というたのもショックやった。あれだけ上方漫才界のトップやったコンビが、全国的にはほとんど知名度がなかったんやから。
 平川さんは幸雄から幸男に改名し、吉本新喜劇でチンピラ役をしていた佐藤武志さんと組んでWヤングは第二期に入る。このコンビの方が第一期よりも長くなったのは皮肉なことではあるけれど、第一期のしゃべくり漫才から、舞台狭しと走りまくるアクション漫才に変えていったのは、平川さんも佐藤さんも第一期と同じことをしてもあの頃の面白さにはかなわんことを自覚してはったんやと思う。70歳を過ぎてもエネルギッシュに舞台で動き回る平川さんの姿をテレビで見るたびに、逆に第一期のしゃべくりを懐かしく思うてしもうたのは失礼やったかもしれんなあ。
 80年代の漫才ブームの前に、最高のコンビがいたことを、私は忘れません。ダイラケは全盛期を過ぎていたし、いとこいの笑いはちょっと比較しがたいものがある。ここらあたりはわかる人にしかわからんと思います。
 謹んで哀悼の意を表します。

 11月17日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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承服亭すまん

ホンマ、今朝の朝刊を見てビックリしました。元気に舞台を駆け回ってはるとばかり思うてましたから。ギターを背中にまわす芸も好きでしたが、やはりしゃれづくしは最高でしたなあ。で、このころよお笑わしてもろたほかのコンビというたら誰やろ。やすきよ、コメわん、レッツゴー、カウスボタン? やっぱりぼやき漫才か。佐藤はんとのコンビでも客席に問いかけるパターンは残してはりましたなあ。残念です。三金さんも若くして亡くなりはったしさびしいかぎりです。
by 承服亭すまん (2019-11-13 23:52) 

t-kita

 あげていただいたコンビはいずれも実力派ですけれど、しゃべくりの完成度の高さではWヤングが頭一つ抜けてたと思いますね。今のアクション漫才も悪くなかったんですけれど、どうしても中田さんと組んでた全盛期の凄さにはおよばなんだのやないかと思います。
 三金さんも惜しいことをしましたね。新作落語の「奥野くんシリーズ」で一皮むけて、安定した笑いが取れるようになってきたところやったのに。残念です。
by t-kita (2019-11-14 23:58) 

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