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上方落語ノート第一集 [読書全般]

 今日は二次募集の受験生の合格発表日。発表があったあとすぐに入学説明会。ぎりぎりの日程なんで、つめてやるしかないのです。私は「いじめ防止」と奨学金に関する説明を担当。過去4年間この説明をしてきたけれど、来年度はポジションが変わるのでとりあえずこれが最後。別に感慨深くもなんともないけれど。
 午後からは会議など。終了後、親睦会の会計引き継ぎ。ほんまにいろんな経験をさせてもらいましたねえ。デスクの引き出しの整理を始めたところで定時に。とっとと退散。
 帰宅したらどっと疲れが出て、だらだらごろごろ。春らしく気温の変化が激しい。それで体がついていかんのよ。ここのところ少し睡眠不足でもあるし。今日は早く寝たい。
 桂米朝「上方落語ノート第一集」(岩波現代文庫)読了。あの、青蛙房から出ていた箱入り上製のマニアックな本がまさかの文庫入り。それがたとえ岩波文庫やったとしても、だ。若き日の米朝師が古老から聞いた話や文献をあさって知ったことを同人誌や専門誌に書きつづったものをまとめたもので、歌舞伎と落語の関係、戦後まだ存命やった上方落語の古老たちのエピソード、やり手のなくなった珍しい落語の紹介、はめものについての解説とバラエティに富んだ内容。博覧強記の米朝師でも「これはわからず」と書いてたりしはってて、師匠にわからんものが私らにわかるかいななどと思いながら読んだりしていました。昔の落語家が寄席で「軽口」というのをしていたそうやけれど、この台本が掲載されていて、これって今の漫才師が「ほな、おれ店員やるから、おまえ客やって」とコント漫才をしているのとほとんど変わらんのですね。笑芸というものは大きく変化してきたものやと思うていたけれど、そうとは限らんということがようわかった。というふうに、いろいろと気付かせてくれるシリーズなんやけれど、とにかくよほどお好きな人やないとついてかれへんくらいマニアックなもので、これを単行本で買うのがためらわれた理由です。文庫化で手にとりやすくなったのはいいけれど、上方落語の歴史や笑芸に深い興味のある方以外にはお薦めしません。研究者としての米朝師の一面をはっきりと見せてくれる一冊です。これで落語はうまいし、司会などもそつなくこなし、数多くの弟子を育て上げたんやから、人間国宝、文化勲章は当然の帰結やったと申せましょう。

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