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シャーロック・ホームズジュニア翻案集 [読書全般]

 今日も完全休養日。朝から録画した深夜アニメを見て、生徒に見せたい映画のDVDを少しばかり見る。それからパソコンに向かい、昼食をはさんであれこれと作業。
 そのあとは読書。読了後、午睡。夕刻起きてきて社説のダウンロードなどをしてからプロ野球のナイター中継を見る。タイガースがスワローズに連勝。勢いも、総合力も今はタイガースの方が上という感じ。スワローズは新型コロナウィルス感染症明けの選手が続々出場してくるけれど、例えば山田などは明らかにまだ完治してへん感じで、ゴロが捕れなんだりバットの振りが鈍かったりする。もう少し休ませたったらどうよと、コロナ感染の影響がまだ残る私なんかは思うてしまう。いくら若くて体力のあるスポーツ選手というても、そう簡単にはいかんのが新型コロナやからね。
 試合終了後、また少し本を読んだりする。読みたい本はようけあるんで、読める時に読んでおかんとな。
 北原尚彦・編「シャーロック・ホームズジュニア翻案集」(盛林堂ミステリアス文庫)読了。戦後すぐに少年少女向けに翻案されたシャーロック・ホームズものを集めたもの。書き手は山岡荘八、島田一男、大倉燁子、大下宇陀児といった戦前戦後に活躍したそうそうたるメンバー。山岡荘八は「緋色の研究」を一応ロンドンを舞台にしてはいるが登場人物すべてに漢字の名をあてはめたりしている。非常にうまいダイジェストという感じ。島田一男は「四つの署名」を「小桜少年探偵団」が活躍する冒険もの風に仕立てあげているけれど、ストーリーは原作に忠実。大倉燁子は「バスカヴィル家の犬」の翻案。枚数は少ないのに、肝心なところはきっちりと押さえていて読みやすく工夫されている。大下宇陀児は「六つのナポレオン」の翻案。登場人物を女学校の生徒にしたりして、盗まれるナポレオン像も目が開いたり閉じたりする眠り人形に変えるなど、発表当時の読者にわかりやすくしている。これらに共通するのは、ワトソン役の記録者がおらず、すべて三人称で書かれているところ。当時の少年少女には名探偵の相棒が記録するとい形になると読みづらいという共通認識でもあったのかな。
 かなりマニアックなアンソロジーで、一般書店では出回ってない本。私は直販で買うたけれど、それはホームズものが好きで、それをこれらの書き手がどう料理しているのか興味があったから。さすがにどれも読みやすく面白かった。大人向けの小説を書く作家が、こうした少年少女向けのものも書いていた時代なのですね。今は書き手がジャンル分けされてしまいがちなので、こういう面白い企画は作るのが難しいんやろうなあ。
 ちなみに収録作はよほどのことでは手に入らん貴重なものということで、それをこういうアンソロジーとして出してくれた北原さんはやはりすごいなあと思うのでありました。

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