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日本のいちばん長い日 [読書全般]

 愛すれどTigers「首位スワローズに勝ち越し、単独2位に」を更新しました。

 今日は出勤日。やはり朝から暑い暑い。
 育英会関連の書類提出で連絡のとれていなかった家族と2軒連絡が取れた。たいてい仕事中らしく、なかなか携帯がつながらんのです。学校の電話からかけんと出てくれんやろうからなあ。自宅から私の携帯でかけたとしても、怪しんで出てくれんかもしれんし、だいたい個人情報を先方の携帯に残したくない。残りは明後日に再度かける予定。
 教材研究や教材作成などをして、定時に退出。帰宅後、読書。相撲は終わったし、野球はお休みやしね。こういう時にしっかり読んでおかんと。
 半藤一利「日本のいちばん長い日 決定版」(文春文庫)読了。内容は昔テレビのスペシャルドラマで見たことがあるんで、だいたい知っていたけれど、ちゃんと読んだことはなかった。ポツダム宣言受諾の聖断から玉音放送までの1日ちょっとに起こった出来事を、まだ関係者が生存中に取材したり、文献を集めてほぼ正確なところをまとめて、小説風にしたもの。初刊時は大宅壮一・編として出されたものを、実際の著者である半藤氏の名義で出し直し、不正確やった部分を補筆して完成させたもの。ノンフィクション・ノベルというべきか。玉音放送までに宮城を占拠して本土決戦を遂行しようとする青年将校たちのクーデターと、なんとか終戦に持ちこみたい鈴木貫太郎首相や米内光政海相らと国体の護持なしで降伏はできないとする阿南惟幾陸相らとのせめぎ合いなど、緊迫した状況が再現されている。小説風に書いているため、本当のところはわからない青年将校たちの心情などを著者は類推しながら書いている。まだノンフィクションのスタイルが確定してへん時代に書かれたものやから、読者が読みやすいようにそうしたんやろう。そこらあたりは時代を感じさせるけれど、力作であることに違いはない。なにより戦争を経験した人が書いているんやから、私らのような戦後生まれのものには理解でけん当時の国民感情もようわかった上で書いてはるわけで、戦後10数年しかたってへん時期やないとここまで再現はでけなんだやろうと思う。映画化は2回されているけれど、私は岡本喜八監督の方しか見てへん。キャストの迫力が今のドラマとは違うなあ。天本英世が狂気をはらんで首相官邸を襲う場面とか、伊藤雄之助が特攻隊を見送る場面とか、どう見てもまともやない。今はこういう役者はほとんどいてへんよなあ。岡本監督は原作に忠実にストーリーを進めながら、演出はかなり戯画化している感じ。これも当時の国民感情を知っているからこそできる戯画化やろう。みんな頭がおかしくなってたんやと言わんばかりの演出で、そこに笠智衆の鈴木首相が飄々とした演技で登場すると、あまりの落差に笑うてしまいそうになる。さらに、先月コミック版も出た。作画はなんと星野之宣! 圧倒的な画力で迫力のある漫画に仕立てあげている。そして、ストーリーの合間合間に自分なりの歴史解釈をはさみこむ。こちらは狂気よりも人物像を緻密に読み解いていく感じで、原作を星野流にみごとに料理している。リメイク版の映画はまだ見てへんけれど、岡本監督の映画と星野版の漫画があればもう他にはいらんと思うよ。

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