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政治と報道 [読書全般]

 今日は完全休養日。午前中から昼過ぎにかけてひたすら一昨日と昨日の深夜に録画した番組を見る。いくつかは最終回を迎え、いくつかは来週が最終回。もっとも第1シーズンの最終回で、まだまだ第2シーズンに続くものもある。製作体制が1クール単位になっているので次のクールに続きを放送しようにも、他に新作を制作していたりするので、続きは半年から1年後ということになるんやろう。で、私らみたいに記憶力がだんだん落ちていっている者が、ストーリーの大筋しか覚えてへんというようになった時分に第2シーズンが始まるということですね。
 夕刻起きてきて大相撲春場所14日目を見る。大栄翔と翠富士が対戦。翠富士があっけなく敗れ、大栄翔が2敗で単独トップ。若隆景の休場で不戦勝の霧馬山が3敗で追うという展開になった。明日千秋楽、結びの一番で霧馬山と大栄翔が直接対決。大栄翔が勝ってすんなり優勝を決めるか、霧馬山が勝って優勝決定戦に持ちこむか。うわあ、今年の千秋楽も非常に面白い。明日は朝から大阪府立体育会館に行って、年に1度の相撲空間にどっぷりと浸ろう。
 上西充子「政治と報道 報道不信の根源」(扶桑社新書)読了。アベスガ政権の国会答弁を「ご飯論法」と喝破した著者による、アベスガ時代の国会答弁と、それを報道する大手メディアの与党偏向を実例を徹底分析することで報道の問題点を明らかにしていく。与党が強いのは野党が頼りないせいやとよく報道されるけれど、野党を頼りなく見せているのが大手メディアの報道姿勢やということがよくわかる。例えば、立憲民主党の小川代議士の理詰めで核心に迫ろうとする質問に対し、首相や他の大臣たちがひきのばしたりはぐらかしたりしているのを、著者はパブリックビューイングという形で多数の人と共有しているにもかかわらず、NHKのニュースでははぐらかされてもうくたくたになっている質問者の姿だけを切り取って報道し、そこに議長がわずかに注意した場面を付け加えることで、どうでもいい質問をする野党に対し、粘り強く答えた与党というイメージを視聴者に与える。野党が冷静に「批判」したことに対し、感情的に「反発」したという紋切り型の文言での報道。「しんぶん赤旗」のスクープである「桜を見る会」疑惑に対し、ネット上で非難が集まるまではほとんど無視した大手メディア。印象操作ではなく、実際のやりとりを記録することにより、与党のはぐらかしに対し粘る野党の姿が見えてくる。しかし、大手メディアの情報操作のせいで、野党は一つの問題ばかりしつこく「反対」をしているだけ、ということになってしまう。昨今話題の高市総務大臣時代の放送法の解釈変更とそれを基にした脅しは、本書で著者が明らかにした時期に発せられたものだと思うと、なぜアベスガがやりたい放題をしているのに与党がいつも選挙で大勝していたのかがよくわかってくる。著者は、こういった報道に対してネットなど新しいメディアでどう対抗していくか、その方法を提示する。驚くべきは、アベスガべったりのフジサンケイグループの出版社である扶桑社から本書が発行されているということ。本書が発売された2年前というと、「桜を見る会」と新型コロナへの対応でアベスガがきしみ始めたころ。そういう時期に扶桑社が政権の問題点を暴くものを出版しているということにも意味があったのかもしれない。高市代議士が自分の発言で自分の首を絞めている現状を見ると、アベスガ全盛時から少しは報道がまともになってきているということなのかもしれんな。

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