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黒いアリバイ [読書全般]

 今日は出勤日。やはり冬の寒さ。ジャンパーを着て出勤し、通勤と授業だけでかなり体力を使う。空き時間は教材研究。一クラスだけむやみに進んでいたり、一クラスだけやたら遅れていたりして、その差が激しい。短縮授業などの影響なんやけれど、かなり授業の進度に差が出ている。さてどうしたものか。
 定時に退出し、まっすぐ帰宅。妻は日帰り帰省で、録画した大相撲九州場所を見ながら帰宅を待つ。3大関とも3連勝。大栄翔、琴ノ若ら関脇陣も勝ち続けている。これがどれだけ続くかが見もの。
 妻が帰宅し、夕食をとり、相撲を見てしもうてから寝床で社説をダウンロードしていたら、少しうとうと。体力の消耗が激しいなあ。とりあえず明日もがんばりましょう。
 ウィリアム・アイリッシュ/稲葉明雄・訳「黒いアリバイ」(創元推理文庫)読了。ずっと前に復刊フェアで購入したもの。昔の小さい活字のままの復刊なんで、最近の新刊の大きなポイントの字になれているとちょっと読みづらかった。もっともしばらくしたら目が慣れてきた。舞台は南米のある国で、北米からやってきた女優の宣伝のために連れて来た黒豹が逃げ出す。人に慣れた大人しい黒豹のはずやったけれど、その直後から黒豹に殺されたと思われる殺人が続けて起こる。しかし、女優のマネージャーをしていて黒豹を調達してきたマニングだけは黒豹だけの仕業でないと疑いを持ち、捜査本部のロブレス警部と対立する。マニングはある方法で犯人をおびき出し、自らの手で決着をつけようとするが……という話。とにかく連続して殺される女性たちの視点から描かれる、得体の知れないものに追われる描写が秀逸。ミステリとしてはアンフェアな部分もあったりするけれど、そのサスペンスフルなタッチでぐいぐいと読ませるところがアイリッシュの魅力。作品としてのできは「幻の女」や「黒いカーテン」よりはいくぶん落ちるけれど、黒豹と思われる得体の知れない恐怖の描き方だけで本書はもう十分。謎解きよりも、こういう得体の知れない不安の描写がアイリッシュの本領なんやから。訳者の硬質な文体がそれを一層際立させている。創元推理文庫の復刊フェアはこういう埋もれた秀作を掘り出してくれるからありがたいのです。

 11月19日は「たちよみの会」例会の予定です。新型コロナウィルス感染症だけでなくインフルエンザも流行中につき、今月も13:00~15:00の短縮バージョンで行います。ご参加お待ちしています。

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