噂 殺人者のひそむ町 [読書全般]
愛すれどタイガース「西勇輝、古巣から今季初完封」を更新しました。
今日も出勤日。快晴なり。とにかく暑く、体力の消耗が激しい。4コマの授業のうち、3コマは生徒に見せたかったマララ・ユフスザイさんのスピーチや、アドルフ・ヒトラーの演説、映画「独裁者」でのチャーリー・チャップリンのラストの演説などを見せる。知識を詰めこませるだけではいかん、自ら学び取る力をつけよ、という文科省の方針の下、教科書に書かれている知識を伝達するのではなく、私自身が心から見せたい映像を見せ、そこから生徒たち自身の力で学び取ってもらいたい。ほんまは試験範囲なんか度外視して「独裁者」や「ヒトラー最後の12日間」、「帰ってきたヒトラー」などの映画を立て続けに見せたいくらいですけど、共通テストに必要な知識も伝授せんならんから、そこまで好き勝手にはでけへんのですよねえ。
定時に退出し、帰宅して寝床でどぶさっていたら、つい寝落ち。夕食時に妻に起こしてもらう。その後しばらく読書。明日はしっかり休みたい。
レスリー・カラ/北野寿美枝・訳「噂 殺人者のひそむ町」(集英社文庫)読了。舞台はイギリスの地方都市。シングルマザーのジョアンナは、黒人のパートナーとの間に生まれたミックスの一人息子アルフィーが町の子供たちに受け入れられるようにとするあまり、母親たちとの会話に、かつて10歳で殺人を犯した女性が更生プログラムを終えて別な名前でこの町にひそんでいるという噂をつい口にしてしまう。彼女が口火を切ってしまった噂は、無関係な人物への攻撃に飛び火したり、また自分のSNSへ脅迫めいた書き込みがなされるなどして彼女を不安に陥れる。パートナーのマイクルはフリーの記者で、その殺人者について調べている。二人はついにその殺人者に関する重要証言をとりに行くのだが、その間に、その殺人者の被害家族が動き始め……という話。話をそらすためにした聞きかじりの噂話を口にした、ただそれだけのことが主人公をさいなんでいく。そのタッチは絶妙。また、町にひそむ殺人者の世を忍ぶ仮の姿はだれなのかという謎に迫る描写も、手掛かりの少なさからなかなか困難で、読者を惑わせる。非常にスリリングであり、殺人者の正体と、被害家族とのやり取りなども、人の心の闇をえぐり出す。難を言えば、殺人者の正体と主人公の関係など、ちょっとおもしろくするために都合の良すぎる展開になってしもうているところが残念。本書が作者のデビュー作とのことやけれど、読者にサービスしすぎた感がある。ただ、そやからと言うてがっかりしてしまうほどのものではなく、ちゃんと読者サービスは効果をあげている。残念ながらこれ以降の作品はまだ邦訳がないけれど、その後、どれだけの力をつけたか読んでみたい作家ではある。
今日も出勤日。快晴なり。とにかく暑く、体力の消耗が激しい。4コマの授業のうち、3コマは生徒に見せたかったマララ・ユフスザイさんのスピーチや、アドルフ・ヒトラーの演説、映画「独裁者」でのチャーリー・チャップリンのラストの演説などを見せる。知識を詰めこませるだけではいかん、自ら学び取る力をつけよ、という文科省の方針の下、教科書に書かれている知識を伝達するのではなく、私自身が心から見せたい映像を見せ、そこから生徒たち自身の力で学び取ってもらいたい。ほんまは試験範囲なんか度外視して「独裁者」や「ヒトラー最後の12日間」、「帰ってきたヒトラー」などの映画を立て続けに見せたいくらいですけど、共通テストに必要な知識も伝授せんならんから、そこまで好き勝手にはでけへんのですよねえ。
定時に退出し、帰宅して寝床でどぶさっていたら、つい寝落ち。夕食時に妻に起こしてもらう。その後しばらく読書。明日はしっかり休みたい。
レスリー・カラ/北野寿美枝・訳「噂 殺人者のひそむ町」(集英社文庫)読了。舞台はイギリスの地方都市。シングルマザーのジョアンナは、黒人のパートナーとの間に生まれたミックスの一人息子アルフィーが町の子供たちに受け入れられるようにとするあまり、母親たちとの会話に、かつて10歳で殺人を犯した女性が更生プログラムを終えて別な名前でこの町にひそんでいるという噂をつい口にしてしまう。彼女が口火を切ってしまった噂は、無関係な人物への攻撃に飛び火したり、また自分のSNSへ脅迫めいた書き込みがなされるなどして彼女を不安に陥れる。パートナーのマイクルはフリーの記者で、その殺人者について調べている。二人はついにその殺人者に関する重要証言をとりに行くのだが、その間に、その殺人者の被害家族が動き始め……という話。話をそらすためにした聞きかじりの噂話を口にした、ただそれだけのことが主人公をさいなんでいく。そのタッチは絶妙。また、町にひそむ殺人者の世を忍ぶ仮の姿はだれなのかという謎に迫る描写も、手掛かりの少なさからなかなか困難で、読者を惑わせる。非常にスリリングであり、殺人者の正体と、被害家族とのやり取りなども、人の心の闇をえぐり出す。難を言えば、殺人者の正体と主人公の関係など、ちょっとおもしろくするために都合の良すぎる展開になってしもうているところが残念。本書が作者のデビュー作とのことやけれど、読者にサービスしすぎた感がある。ただ、そやからと言うてがっかりしてしまうほどのものではなく、ちゃんと読者サービスは効果をあげている。残念ながらこれ以降の作品はまだ邦訳がないけれど、その後、どれだけの力をつけたか読んでみたい作家ではある。
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