宿借りの星 [SF]
今日も出勤日。朝から曇り空。なんか生ぬるい風が吹く。今日は午前中に3コマ連続公演。ほかの先生が授業見学に来たりして、緊張しますね。うまいことやろうと見栄を張る歳ではないけれど、あんまり無様なところは見せられんからねえ。
午後からはかなり強い雨が降り始める。私はほっとしたのかむやみに眠く、体もだるい。放課後は新任の先生の授業についてアドバイスをしたりする。アドバイスになっているのかどうかはわからん。足を引っ張ってなかったらえええんやけれど。
定時に退出し、本降りの中、帰路につく。折り畳み傘なんで、ダウンパーカーがちょっしばかり濡れたりしたけれど、無事帰宅。すぐに社説のダウンロードなどをする。
夕食時には妻とCD羽田健太郎「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」を下野達也指揮東京交響楽団の最新の演奏で聴く。単なる劇伴のつなぎ合わせやなく、ちゃんとした交響曲になっているうえに、宮川泰さんの原曲のモチーフを生かしきっていて、聴きごたえがあった。
夕食後はしばらく読書。雨はあがったけれど、明日もまた夕刻から降るみたい。秋雨、というには寒すぎますねえ。
酉島伝法「宿借りの星」(創元SF文庫)読了。文庫にしてはボリュームがあるうえに、読み初めにはなかなか作品世界に入り辛く、思うたより時間がかかった。物語の舞台は甲殻類のようないろいろな種族が住む世界。故郷を追放された主人公マガンダラは様々な土地を遍歴する中で、かつて自分たちが滅ぼした人類がある方法で再び自分たちの中に入りこんでいることを知る。人類の野望を防ぐため、マガンダラと異種族のマナーゾは彼らに冷たい目を向ける故郷に戻るが……という話。種族、人、など私たちが使う言葉なのに、作者は不思議な当て字で表現する。それがまた、この作品世界が全くの異世界やということを知らしめる。実は、この当て字と世界観に最初なかなか入りこまれなんで、読み進めるペースが遅かった。ただ、文章自体は読みやすく、ストーリーもよく練られたものやったんで、半分を越したくらいから読むペースも少しずつ上がった。終盤に至り、予想を裏切る急展開で、もうこの異世界になじんできていたこともあって、最後は一気に読み切った。この誰にも真似できん独自の世界観には圧倒されたし、ラストの予想外の結末にはまったくもって驚かされた。2度目のSF大賞も納得がいく。文庫化されたので読んでみる気になったんやけれど、酉島ワールドに入りこむまでがなかなか大変やっだけに、こうやって読了してしまうとなんか感慨深さまで味わうことになった。他に類のない独特の世界観には、ラノベやアニメの「異世界」なんて「異世界」でもなんでもないやんと思わせる。そう、まさに我々とは全く違う生態系の、我々には理解しがたい異世界なんでありますね。オークだのエルフだのドワーフだのヨーロッパの説話からの借り物にはないほんまもんの異世界。作者自身による挿画がまたその異界ぶりをよく示している。いやあ、読みごたえがありました。
午後からはかなり強い雨が降り始める。私はほっとしたのかむやみに眠く、体もだるい。放課後は新任の先生の授業についてアドバイスをしたりする。アドバイスになっているのかどうかはわからん。足を引っ張ってなかったらえええんやけれど。
定時に退出し、本降りの中、帰路につく。折り畳み傘なんで、ダウンパーカーがちょっしばかり濡れたりしたけれど、無事帰宅。すぐに社説のダウンロードなどをする。
夕食時には妻とCD羽田健太郎「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」を下野達也指揮東京交響楽団の最新の演奏で聴く。単なる劇伴のつなぎ合わせやなく、ちゃんとした交響曲になっているうえに、宮川泰さんの原曲のモチーフを生かしきっていて、聴きごたえがあった。
夕食後はしばらく読書。雨はあがったけれど、明日もまた夕刻から降るみたい。秋雨、というには寒すぎますねえ。
酉島伝法「宿借りの星」(創元SF文庫)読了。文庫にしてはボリュームがあるうえに、読み初めにはなかなか作品世界に入り辛く、思うたより時間がかかった。物語の舞台は甲殻類のようないろいろな種族が住む世界。故郷を追放された主人公マガンダラは様々な土地を遍歴する中で、かつて自分たちが滅ぼした人類がある方法で再び自分たちの中に入りこんでいることを知る。人類の野望を防ぐため、マガンダラと異種族のマナーゾは彼らに冷たい目を向ける故郷に戻るが……という話。種族、人、など私たちが使う言葉なのに、作者は不思議な当て字で表現する。それがまた、この作品世界が全くの異世界やということを知らしめる。実は、この当て字と世界観に最初なかなか入りこまれなんで、読み進めるペースが遅かった。ただ、文章自体は読みやすく、ストーリーもよく練られたものやったんで、半分を越したくらいから読むペースも少しずつ上がった。終盤に至り、予想を裏切る急展開で、もうこの異世界になじんできていたこともあって、最後は一気に読み切った。この誰にも真似できん独自の世界観には圧倒されたし、ラストの予想外の結末にはまったくもって驚かされた。2度目のSF大賞も納得がいく。文庫化されたので読んでみる気になったんやけれど、酉島ワールドに入りこむまでがなかなか大変やっだけに、こうやって読了してしまうとなんか感慨深さまで味わうことになった。他に類のない独特の世界観には、ラノベやアニメの「異世界」なんて「異世界」でもなんでもないやんと思わせる。そう、まさに我々とは全く違う生態系の、我々には理解しがたい異世界なんでありますね。オークだのエルフだのドワーフだのヨーロッパの説話からの借り物にはないほんまもんの異世界。作者自身による挿画がまたその異界ぶりをよく示している。いやあ、読みごたえがありました。
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