忍びの旗 [読書全般]
今日も朝からアニメ三昧。なんとか昨日の深夜までの分は見てしまう。先週、積ん読の移動をしてあまり見られなんだ分、やっとカバーできた。
昼食後、午睡してから夕刻には血圧の内科に行く。特に異常はなく、薬を処方してもらい、帰宅。帰宅後は読書をしたり社説のダウンロードをしたり。妻は体調がよろしくなく、夕食は簡単なものですます。食後は寝床で読書。またも宿題は手につかず。明日は……どうかな。
池波正太郎「忍びの旗」(新潮文庫)読了。三方ヶ原の戦いで父を殺された甲賀忍者の上田源五郎は北条氏邦の家来である山岸十兵衛に仕え、北条方の状況を徳川に流す役割を課せられる。しかし、源五郎は十兵衛の娘正子と恋仲になり、彼女を娶ることになる。そして十兵衛という人物にも惹かれていく。豊臣秀吉の北条攻めで十兵衛を殺すように命じられた源五郎は策を講じて北条の動きを忍びの連絡係に伝えながらも、十兵衛が徳川に生け捕りにされるようにする。甲賀忍群を裏切った源五郎の逃亡生活が始まる。逃亡生活と家族への愛情の板挟みになった源五郎は……という話。久しぶりに池波作品を読んでみたくなって手に取った。書かれた時代が古いため、歴史認識は最新のものとは違うけれど、それは読んでいるうちに気にならなくなる。何しろ時代小説の手練れである。池波正太郎の忍者物は、突飛な忍法は使わない。ただ、己の我欲を殺し、任務に徹するのみ。それでも人としての情はあり、忍びの任務と自分の情との板挟みになる、その心情の描き方が読み手を引き込んでいく。本書は特にその板挟みのために逃亡生活を余儀なくされながらも自分の気持ちを最優先にする主人公の描き方が見事。手練れの筆致に思わず引き込まれていく。独特の文体はは「鬼平犯科帳」シリーズ全巻読破した時になじんだもので、その文体に久しぶりに接してちょっと懐かしい気分になった。主人公の老境まで描かれた本作は、一人の男の一生に付き合うたという気持ちにさせてくれ、読後感もすっきりした気分にさせてくれた。最新の時代小説とはまた違う、現代感覚を取り入れながら細やかな心情描写に、池波正太郎でなければならないと思わせるコアがあると改めて感じた次第。いやあ、読ませますよ、さすが。
昼食後、午睡してから夕刻には血圧の内科に行く。特に異常はなく、薬を処方してもらい、帰宅。帰宅後は読書をしたり社説のダウンロードをしたり。妻は体調がよろしくなく、夕食は簡単なものですます。食後は寝床で読書。またも宿題は手につかず。明日は……どうかな。
池波正太郎「忍びの旗」(新潮文庫)読了。三方ヶ原の戦いで父を殺された甲賀忍者の上田源五郎は北条氏邦の家来である山岸十兵衛に仕え、北条方の状況を徳川に流す役割を課せられる。しかし、源五郎は十兵衛の娘正子と恋仲になり、彼女を娶ることになる。そして十兵衛という人物にも惹かれていく。豊臣秀吉の北条攻めで十兵衛を殺すように命じられた源五郎は策を講じて北条の動きを忍びの連絡係に伝えながらも、十兵衛が徳川に生け捕りにされるようにする。甲賀忍群を裏切った源五郎の逃亡生活が始まる。逃亡生活と家族への愛情の板挟みになった源五郎は……という話。久しぶりに池波作品を読んでみたくなって手に取った。書かれた時代が古いため、歴史認識は最新のものとは違うけれど、それは読んでいるうちに気にならなくなる。何しろ時代小説の手練れである。池波正太郎の忍者物は、突飛な忍法は使わない。ただ、己の我欲を殺し、任務に徹するのみ。それでも人としての情はあり、忍びの任務と自分の情との板挟みになる、その心情の描き方が読み手を引き込んでいく。本書は特にその板挟みのために逃亡生活を余儀なくされながらも自分の気持ちを最優先にする主人公の描き方が見事。手練れの筆致に思わず引き込まれていく。独特の文体はは「鬼平犯科帳」シリーズ全巻読破した時になじんだもので、その文体に久しぶりに接してちょっと懐かしい気分になった。主人公の老境まで描かれた本作は、一人の男の一生に付き合うたという気持ちにさせてくれ、読後感もすっきりした気分にさせてくれた。最新の時代小説とはまた違う、現代感覚を取り入れながら細やかな心情描写に、池波正太郎でなければならないと思わせるコアがあると改めて感じた次第。いやあ、読ませますよ、さすが。
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