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戦後日本の宰相たち [読書全般]

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 今日の午前中は少しだけテレビを見てから、あとはひたすら年賀状の宛名書き。出す相手がかなり減ったので、昼までにすべて完了。
 妻と雑煮とお節料理を食べた後、日帰り帰省のために阪急の特急で上洛。意外とすいていてちゃんと座れた。
 実家では妹たちとお節料理をつつき、ビールを飲みながらテレビを見ながらよもやま話。母は今年も無事に年越しができてよかったなあ、なんて喜んでいたり。Eテレで錦鯉が子どもの描いた地図を見ながら目的地へのルートをたどるという番組を見たり、KBS京都の新春狂言を見たり、やはりKBSで常盤貴子さんがやたら高いスイーツを食べ歩きする番組を見たり、妹が録画した「浦沢直樹の漫勉」の手塚治虫特集を見たりしてたら、あっという間に時間がたち、午後10時ごろに実家から帰る。なんとか日付が変わるまでには帰宅できた。
 天気も穏やかで温かく、ええ元日と違いますか。年賀状は早くて1月3日、遅くて1月6日くらいには着くと思います。
 渡邉昭夫・編「戦後日本の宰相たち」(中公文庫)読了。1995年に親本が出、2001年に一度文庫化されたものの復刊。戦後80年ということで復刊されたのかな。東久邇宮稔彦王、幣原喜重郎、吉田茂、片山哲、芦田均、鳩山一郎、石橋湛山、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘、竹下登と、終戦後から昭和の終わりまでの首相たちを、そうそうたるメンバーがそれぞれの視点で政策や政争の功罪を分析しながらまとめた評伝集。私は若い頃に読んだ「小説吉田学校」などの戸川猪佐武さんの政治ドキュメント小説などで政治史の流れはつかんでいたけれど、どうしても田中角栄寄りに書かれた「小説」やったから、各首相に対してきっちりとその政治信念や、実行できたこと失敗したことなどが明確に書き表されている本書は実に興味深かった。平成以降の首相に関しては別の版元から単行本が出ているので、そちらも平成の宰相たちだけで構わないので、いずれ文庫化してもらいたい。
 占領期の政治、独立してからの政治、経済大国になってからの政治と、流れもつかみやすく、それぞれの描き手の立場から忖度なしに切りこんでいるので非常に興味深く読めた。特に政争が激しかった田中角栄から中曽根康弘までの首相たちはそれぞれ成功すれば、現在の政治が抱えている問題はとっくに解決していたんやないかというあたりは緊迫感があった。やはり平成末期の安倍一強時代の弊害は大きかったと、本書の首相たちの政治的理想を読んでいて実感した。戦後昭和史に興味のある方にはぜひ読んでもらいたいと思わせる評伝集です。
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