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光秀の定理 [読書全般]

 今日は出勤日。3コマ連続の授業が終わり、その時点でへとへと。そやけど、職場のネット環境変更の作業は今日中にすましておかねばならん。若手の先生にマニュアルを貸してもらい、午後からはそちらの作業に専念。少しばかり時間はかかったけれど、なんとか終了。明日の授業の準備などをしてから退出。
 帰宅後、すぐに録画した大相撲初場所3日目を見る。豊昇龍が圧倒的な相撲で若隆景を下し3連勝。それに対し琴櫻は体が全く動かず2敗目。連続優勝をしようと思うたら、もう1敗もでけん。序盤での連敗は痛い。照ノ富士は霧島にてこずりながらもなんとか2勝目。大の里は隆ノ勝に圧勝。三段目の相撲がBSの中継に少しだけ入り、久しぶりに炎鵬の相撲を見られた。東大出身の須山を一気の攻めで下して今年の初星をあげる。炎鵬、ええやん。この調子で来場所は幕下に戻ってほしいものです。
 夕食後、社説のダウンロードをしたあと寝落ち。連休明けの仕事がきつかったからなあ。
 垣根涼介「光秀の定理」(角川文庫)読了。親本出版時に、現代ミステリ作家の異色歴史小説として話題になったもの。主役は明智光秀かと思うたら、愚息という僧と笹の葉新九郎という兵法者。応仁の乱で荒れ果てた今日で二人は出会い、原始仏教に傾倒する愚息に感化された新九郎が、敵を倒す兵法から自分を磨く兵法へと考え方を変えていく。そこにまだ無位無官やった光秀が出会い、彼らの影響を受けながら、足利義昭の確保、信長に見いだされて破格の出世を遂げていく。光秀は戦の中で愚息の確率的な思考を取り入れて味方を勝利に導いたりするが、信長という男の本質を知り……という話。確かにユニークな歴史小説。愚息と新九郎という戦国時代の人間とは思えない合理的思考をする二人を主軸に置き、数学的な考え方と実存主義的な哲学で戦国時代を、そして光秀と信長を切り取っていくあたり、非常に興味深かった。「本能寺の変」の描写は一切出さず、光秀の死後に愚息と新九郎が「なぜ光秀は信長に謀反を起こしたか」を推理させるという趣向も面白かった。確かに、こういう歴史の切り取り方、特に戦国時代を現代的な合理主義を持つ部外者に俯瞰で考えさせるという視点は独特のものがあって興味深かった。明智光秀という人物を分析することで、戦国という時代の本質を見据えていく冷静なタッチには驚かされ、引きこまれた。同じ作者の現代ものや、別な視点から描いた戦国ものも読んでみたくなった。好きなタイプの歴史小説ではないのに、思わず引きこまれていく魅力が本書にはある。

 1月19日(日)は「たちよみの会」例会です。今月も13:00~15:00の短縮バージョンです。ご参加お待ちしています。
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