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マルチの子 [読書全般]

 今日も出勤日。今日も比較的温暖。そのせいか、自律神経が対応しきれてへんのか、1日中だるい眠いきつい。とにもかくにも午前中3連続公演を突破。午後は新たなスライドショー作成。とても残って仕事できる気がしなかったこともあり、定時に退出。
 帰宅後、少し寝床で読書をしてから、録画してあった大相撲中継を見る。金峰山は昨日までの無欲な相撲とはうって変わって勝ちたい気持ちが出てしもうたか、阿炎に一瞬で土俵に這わされる。千代翔馬も霧島にいい相撲を取ったが足が流れて土がつく。逆に豊昇龍は開き直ったか動きよく連敗を止め、1敗で金峰山。2敗で王鵬、千代翔馬、尊富士。3敗で豊昇龍、大の里、霧島というあたりで優勝争いが行われる感じ。これは優勝は12勝3敗のラインになるか。
 夕食後、社説のダウンロードなどをしてから寝落ち。熱はないと思うけれどはかってへん。明朝にははかってみるか。
 西尾潤「マルチの子」(徳間文庫)読了。主人公は三姉妹の真ん中に生まれ、できのよい姉と愛嬌のある妹にはさまれてコンプレックスを抱いている若い女性、真瑠子。彼女は職場の先輩に勧誘され、健康ベッドシートを高額で売りつけるマルチ商法に入る。会員を増やすたびに収入と周囲の称賛が得られることで、彼女はマルチ商法の沼にはまっていく。ついには商品を借金してまでして自分で買い取り、マルチ商法のメンバーの中での上位を狙うようになる。トップの逮捕、別のマルチ商法グループへの移動、ふくらむ借金に、真瑠子はついに枕営業にまで手を出してしまう。AV女優に勧誘されたりする中、彼女は借金返済のために、また新しい沼に……という話。人間の弱さ、ダメさを登場人物たちに体現させ、マルチ商法の世界の恐ろしさをこれでもかこれでもかと突きつけてくる。あとがきで、作者自身も若い頃にマルチ商法で多額の借金を背負ったことを告白している。つまり、これは実体験に基づいた物語なのですね。それだけに描写がリアルで、ぞっとする。面白くはあるんやけれど、それ以上に怖さが先に立ってしまう。昔、長い間連絡のなかった人から電話がきて、鍋を売りつけられそうになり思わず断ったことがあったけれど、あの人は今はどうしているんやろうか。多少の誇張はあろうかとは思うけれど、おそらくは現実にこの作品のようなことは日本中で起こっているんやろう。マルチ商法にはまる人、そしてそこにつけこむ詐欺師、実家に迷惑をかけられないと借金のこともマルチのことも打ち明けられず、かえって傷口が深くなる様子など、ほんまにぞっとしてしまう。他人事として、あるいは単なるお話としては読んではいられん。高校生たちにお薦め図書として読ませんとあかんかも、と思うたりもした。ぜひご一読あれ。マルチにはまっていく怖さを体感できますぞ。
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