監禁面接 [読書全般]
今日は出勤日。昼前からしょぼしょぼと雨が降り始める。授業は4コマ。間に事務作業やらあれこれと。今年度最後の授業のクラスもあったりして、いよいよ大詰めという感じです。まあ、これから学年末交差やら入試やらで気は抜けないんやけれども。
定時に退出。やはり小雨がしょぼしょぼ。傘をさすかささないか迷うくらいの小雨。でも肌にあたると冷たい。帰宅してすぐに電話をかける用事があったりしてばたばたと。そのあとは寝床で社説のダウンロードやら読書やら。夕食後、少し読書をして、ついうとうと。寒いと体力がそがれるのだなあ。
ピエール・ルメートル/橘明美・訳「監禁面接」(文春文庫)読了。例によって積読から引っ張り出す。50歳を過ぎて勤務先が買収合併されたことによりリストラされた男、アランが主人公。いろいろなアルバイトを掛け持ちしながらなんとか暮らしているが、職場でトラブルを起こして首を切られ、なんとか定職につこうと必死。ある一流企業の求人の最終面接に残るが、その面接は「就職先業の重役会議が襲撃、重役たちが監禁され、その重役たちに尋問して彼らの適性を判断する」というとんでもないもの。妻からは反対されるが、これが最後のチャンスと、探偵に大金をはたいて重役たちについて調査させたりするなど準備は怠らない。ところが、最終面接は出来レースで自分は採用されないということが判明。もう後戻りができないアランがとった行動とは……という話。予定していた生活がリストラで水の泡になり、追い詰められた男のとる行動がすべて裏目に出てしまうという展開には同情せざるを得ないけれど、やけっぱちになった彼のとる行動は読み手を混乱させるほど唐突で、先が読めない。彼なりの計算はあるのだけれど、それがまた裏目に出、愛する家族たちを巻きこむ。良かれと思ってとる行動を理解してもらえず、それでも突っ走るしかない主人公の心情が痛い。何度も訪れる危機を切り抜け、それなりに成果は手にしたけれど、失ったもののどれだけ大きいことか。まるでテーマパークのアトラクションのようにハラハラドキドキさせる話なんやけれど、とにかく主人公が常に切羽詰まった状況なので、そのハラハラドキドキはちっとも心地よくない。その心地よくないところが作者らしい。とにかく主人公をいたぶるのが好きな作家なのですよ。読んでいる時はこっちも必死になるし、それが面白さでもあるけれど、この苦みは何なんやと思わせる。その苦みこそが作者の持ち味。でもねえ、中高年の読み手にはちょっときつすぎます。なんと評価してよいか言葉にしにくい作品でありました。
定時に退出。やはり小雨がしょぼしょぼ。傘をさすかささないか迷うくらいの小雨。でも肌にあたると冷たい。帰宅してすぐに電話をかける用事があったりしてばたばたと。そのあとは寝床で社説のダウンロードやら読書やら。夕食後、少し読書をして、ついうとうと。寒いと体力がそがれるのだなあ。
ピエール・ルメートル/橘明美・訳「監禁面接」(文春文庫)読了。例によって積読から引っ張り出す。50歳を過ぎて勤務先が買収合併されたことによりリストラされた男、アランが主人公。いろいろなアルバイトを掛け持ちしながらなんとか暮らしているが、職場でトラブルを起こして首を切られ、なんとか定職につこうと必死。ある一流企業の求人の最終面接に残るが、その面接は「就職先業の重役会議が襲撃、重役たちが監禁され、その重役たちに尋問して彼らの適性を判断する」というとんでもないもの。妻からは反対されるが、これが最後のチャンスと、探偵に大金をはたいて重役たちについて調査させたりするなど準備は怠らない。ところが、最終面接は出来レースで自分は採用されないということが判明。もう後戻りができないアランがとった行動とは……という話。予定していた生活がリストラで水の泡になり、追い詰められた男のとる行動がすべて裏目に出てしまうという展開には同情せざるを得ないけれど、やけっぱちになった彼のとる行動は読み手を混乱させるほど唐突で、先が読めない。彼なりの計算はあるのだけれど、それがまた裏目に出、愛する家族たちを巻きこむ。良かれと思ってとる行動を理解してもらえず、それでも突っ走るしかない主人公の心情が痛い。何度も訪れる危機を切り抜け、それなりに成果は手にしたけれど、失ったもののどれだけ大きいことか。まるでテーマパークのアトラクションのようにハラハラドキドキさせる話なんやけれど、とにかく主人公が常に切羽詰まった状況なので、そのハラハラドキドキはちっとも心地よくない。その心地よくないところが作者らしい。とにかく主人公をいたぶるのが好きな作家なのですよ。読んでいる時はこっちも必死になるし、それが面白さでもあるけれど、この苦みは何なんやと思わせる。その苦みこそが作者の持ち味。でもねえ、中高年の読み手にはちょっときつすぎます。なんと評価してよいか言葉にしにくい作品でありました。
コメント 0