どうした朝青龍 [大相撲]
何があったか朝青龍。あの土俵に吸いつくような足腰のよさはどこへ行ったんや。昨日は時天空のいなしにあっさり横を向き後ろに回られてしもうた。今日は雅山の突き押しに腰が浮き足がばたつき、まるで平幕下位の力士みたいに一方的に土俵下に突き飛ばされた。熱でもあるんか朝青龍。
たいてい負けた後の朝青龍は負けた悔しさをむき出しにして吼えるように花道を下がっていくのに、今場所の朝青龍は違う。呆然とした表情で目はうつろ。今日なんか今にも泣きそうな顔をしていた。
八百長疑惑を晴らそうとして焦ってしまい、自分の相撲が取れないまま連敗したことが自分でも信じられへんのか。それとも八百長をしなければ実力はこんなもんやったと思い知らされて愕然となっているのか。好意的に解釈することも悪意をもって解釈することもどちらもできる。
ただ、私は「朝青龍の独走を許すな」とは思うても、「朝青龍よみじめに負けろ」とは思うたことはない。強い朝青龍に対抗できる強い力士が現れて、切磋琢磨して力のこもったええ相撲で土俵を盛り上げてくれと願いはしても。私が見たいのは序盤から横綱大関が勝ち進み、10日目くらいから星をつぶしあい、最後は千秋楽に相星決戦か決定戦で優勝が決まるというような展開を望んでいるだけや。
下手したら、横綱休場というようなことになるかもしれん。そんな形になって3敗か4敗の平幕力士が優勝を飾るというようなことでは、「週刊現代」はそれこそ八百長疑惑はほんまやったと鬼の首でもとったように書き立てるに違いない。
私が見たいのは白熱し、手に汗握る相撲であって、横綱大関がふがいない負け方を続けて大乱戦になる土俵やないのです。
そやから今こそ言う。
「がんばれ、朝青龍!」