ゲキレンジャーカレー [日常生活]
障害児学級の生徒のための授業として、「お買い物学習」というのを設定している。教員の御用聞きをして、3人の生徒に預かったお金を渡し、注文どおりのものを近くのスーパーまで買いに行くという、いたってシンプルな授業。シンプルではあるけれど、これがなかなか難しい。商品名をいわれても、それがスーパーのどこに置かれているかを探すのに苦労する。「きつねどん兵衛」という注文があったとして、なんとかラーメンの棚にたどり着いたとしても、どれが「きつねどん兵衛」かわからなんだりするのですね。「どん兵衛天そば」や「どん兵衛かきあげうどん」をカゴに入れたりするので、違うということを指摘して、正しいものを選びなおさせんならん。
私は毎週「ボンカレー」と「サトウのごはん」を注文するんやけれど、数あるレトルトカレーの中から「ボンカレー」を見つけ出すのに苦労する。そこで、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」の好きな生徒のために、「ゲキレンジャーカレー」なるものを買うように注文してみた。さすがにパッケージだけですぐに判別する。見つけ出せたという達成感を大切にしたいのですよ。
せっかく買うてきてもろうたんやから、「ゲキレンジャーカレー」を食する。
味がない!
カレーからスパイスをすべて取り除き、香りだけ残したというとわかってもらえるかな。普段から少し辛口のカレーを食べつけている身にはほんまにこたえた。「甘口」というても、甘さはあんまり感じられん。まさに味がないんですわ。
大人の口で子ども向けのカレーを食べるのがこんなにきついとは予想してなんだ。もう二度と「ゲキレンジャーカレー」は注文せんぞ。ひたすら「ボンカレー」で攻めるしかない。それ以外のカレーやと、名前が難しすぎて覚えられなんだり探し出せなんだりするんですわ。
いやしかし、この年で子ども向けのカレーを食べるということになろうとは予想もしてなんだ。なかなか貴重な体験かもしれんな。