どこが教育再生 [教育]
教育再生会議が第2次報告を決定した。
いろいろ目玉があるらしい。授業時間を10%増やすための具体策として「夏休みの短縮と活用」、「1日7時間の授業」、「必要に応じ土曜日にも授業を行えるようにする」があがってるんですってよ奥さん。「夏休みの短縮と活用」は、私の勤務校ではとっくにやってますわよご主人。「1日7時間の授業」をしている高校はけっこうありますわよお母さん。「必要に応じ土曜日にも授業を行えるようにする」のも私の勤務校でももう始めてますわよお父さん。
野依先生、現場のことをご存じないのかしら。視察にも行かないし実態も把握できないのに、とっくにやってるところはやってることを提言して「教育再生」ですってよ、恥ずかしくないのかしらおねえさん。ヤンキー先生、ご自分の教育実践はお忘れになったのかしら。「徳育」の教科化をしたところで、ヤンキー生徒が点数も出ないし評価もされないようなそんな授業をきちんと聞くのかしらねえおにいさん。
教育の再生って、ようは昔のような教育にもどすって意味でしょう。いつごろにまでもどすのか楽しみにしてたのに。戦前に戻して、教師のいうことを聞かない生徒には体罰も可、歴史は世界史よりも国史を重んじ、歴史の始まりは「イザナギイザナミ」から教える、なんていう大胆な提言をしたら受けたのにねえ。
ブログ化する前の日記にも書いたけど、「教育再生」ってなんでんねん。今回の第二次報告を見てみても、識者を集めた意味もなく、文部科学省の意見を中途半端に取り入れ、現場の教員に負担をかけたら教育がよくなるとでもいわんばかりの内容でんなあ。どこが「教育再生」か。まず「教育」とは何かという定義をやり直すところから始めたらどうやろう。
ちなみに、今回の報告からも障害児教育や夜間定時制などに対する配慮はまったく読み取られなんだ。私は定時制の講師を振り出しに、障害児教育にも長くかかわり、これらこそが受験勉強よりもずっと教育の本質や「学び」の重要性を示していると考えている。これらに一切触れんような「教育論」は、にせものやとさえ思う。
しんぞう首相、いっぺん養護学校で1週間ほど実習してみなはれ。世界観が変わるよ。ほんまに。