朝青龍出場停止 [大相撲]
横綱朝青龍に処分が下った。
腰を疲労骨折したという診断で巡業を休場したにもかかわらず、例によって師匠にも告げずにモンゴルに帰国し、そこで国の依頼とはいえサッカーの試合に出場、元気に走っている姿がテレビで放送されたんやから、しかたないわな。以下、新聞記事の引用。
「日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で緊急理事会を開き、けがで夏巡業への休場届を出しながら、故郷のモンゴルでサッカーに興じた横綱朝青龍(26=高砂)に対し、9月の秋場所と11月の九州場所の2場所の出場停止と九州場所千秋楽までの謹慎、4カ月間、30%の減俸を決めた。現役横綱への出場停止、減俸処分は史上初。また師匠の高砂親方(元大関朝潮)にも4カ月間、30%の減俸処分が科された」
かつて本場所を休場して大阪まで日米野球を見に行き、向こうの監督と握手している写真が新聞に掲載されて引退に追い込まれた前田山という横綱がいた。師匠と仲たがいして部屋を飛び出した横綱双羽黒は、部屋に戻ることを拒否したため廃業することになってしもうた。
相撲人気が下降線をたどったのは、地方巡業のやり方を合理化しすぎて開催回数が減ったことも関係しているという。実際、朝青龍休場の報道を聞いてチケットをキャンセルしたいというお客さんもけっこういたらしい。横綱がファン獲得の努力もせんと帰国し、休場せんならんほどやという診断書を書いてもらいながら「どうせ日本には伝わらん」とたかをくくったか走り回っているというのは、やっぱりまずいわな。いくら母国からの依頼があったとはいうても、怪我を理由にあいさつ程度ですますこともできたはず。同情の余地はないように思う。
私は、これまでの朝青龍の行状(泥酔して相撲部屋の入り口を破壊した、有望力士を稽古と称して怪我をするほど痛めつけた、などなど)に対して何も処分してこなんだ相撲協会にも問題はあると思う。そやけど、そういった積み重ねの集大成が今回の事件になったということに間違いはないやろう。
朝青龍は得がたいキャラクターであるし、引退したら土俵が寂しくなるとは思う。それでも、相撲協会は朝青龍に対して引退勧告をすべきやったと考えている。巡業を通じて相撲ファンになる子どももいるやろう(私がそうやった)。横綱としての責任はすべて白鵬に押しつけ、本場所にだけ出るなどという料簡では相撲界を代表する横綱の資格はないんやなかろうか。
北の湖理事長たちは、これを機会に相撲社会の厳しさを自覚してもらおうと考えたんかもしれんけれど。そううまいこといくかな。とにかくこのままほっといたら、白鵬をはじめとするモンゴル力士たちにも悪影響を与えるやろう。そうなる前に、協会はもっと毅然とした態度をとらんならんのと違うやろうか。