キティちゃん腕章 [時事ネタ]
タイの警察で規律違反の警官に「キティちゃんの腕章」をつけさせるという罰則ができたという新聞記事を読んだ妻が大笑いしていた。以下引用。
「カーキ色の制服にピンクのキティちゃん――。タイ国家警察防犯部は8月から、規律に違反した警察官に、サンリオの人気キャラクター『ハローキティ』のワッペンをつけたピンクの腕章を着用させる『処分』を導入した。違反警官はこれを着けて警察内を巡回しなければならず、幹部らは『恥ずかしさが軽挙妄動をおさえるだろう』と期待している」
日本でそんな腕章をしている警官がいても「おお、大阪府警はサンリオとタイアップして『女の子に怖がられない警察』を目指しているのか」とか思われたりなんかするんやろうけれど、タイでは「女子どものもの」と「大人の男のもの」の区別ははっきりついてるんやろうね。日本というのはいつの間にか「可愛いもの好き」の社会に変貌してしもうたからね。そのかわり「大人の男」の記号となるものは多くが忌避されるか笑いの対象になったりしている。
てなことを書こうとしたら、サンリオは「事前に通知はなかった」というわけで著作権侵害の疑いも出てきた。以下、引用。
「サンリオの広報担当者は7日、『世界で愛されているキャラクターで、このような形で使われると、イメージが損なわれる可能性がある』と語り、戸惑った様子。さらに、『使用許諾については聞いていない。どういう経緯でこうなったのか、驚いている』と話した」
営利目的で使うているわけではないとしても、事前に許可は得ておくべきでしたな。もっとも罰則として使うというたら使用許可はおりてへんかもな。それにしてもタイではまだそれほど著作権に対する意識が高くないのかな。あちらの事情を知らんのでなんともいわれんけれども。
さて、これを受けてタイ警察はこの腕章の使用を撤回したそうな。またまた引用。
「6日に地元英字紙が報道すると、日米欧の主なメディア20社以上が取材に訪れた。責任者のポンパット同部長代理は7日、『マスコミ対応に追われて仕事にならない』として腕章のデザインを変更する、と宣言した。実際には、多くの記者がキャラクターの無許可使用について質問したことを気にしたとみられる。
この間、『キティちゃん腕章処分』を受けた警官はいなかった」
お蔵入りとなると、見本として作られた「キティちゃん腕章」は世界中の「ハローキティ」コレクター垂涎の品となるな。どこからか流出した腕章がネットオークションにかけられたとかいう話題がきっと出るぞ。これにまたバカ高い値がついたりするんやろうなあ。というわけで、タイ警察の名案は思いも寄らぬ方向に転がっていくのでありました。
あーでもタイにはオリジナルの愛玩キャラクターはあらへんのかな。日本の場合、漫画文化が戦前から発達していたから、そういうキャラクターは海外に頼らんでもなんぼでもあるからな。文化の違いというのはそういうところにあらわれたりするんやね。