SSブログ

禁煙学会対萩本欽一 [テレビ全般]

 「24時間テレビ・愛は地球を救う」という、私個人は好きではない番組がある。これは始まった当初は手塚治虫の新作アニメの時間だけ見ていたけれど。24時間マラソンなるものが毎年売り物になってるのは、スポーツ新聞の記事で知ってはいたけれど、それとチャリティーと何の関係があるのか理解でけん。とりあえず番組を盛り上げるためのイベントであるということだけはわかるんやけれど。
 今年のマラソンランナーは萩本欽一さん。66歳という年でそんな過酷なことをして大丈夫かいなとは思うけれど、本人承知の上で、しかもテレビ番組のイベントやから当然ドクターもスタッフとともに同行しているやろう。無理となればドクターストップもかかるに違いない。あるいは(下衆の勘繰りですが、私は下衆なもんで)視聴者の見てないところで自動車に乗ったっていいわけやしね。テレビ的には「ほんまに走ったか」よりも「番組の最後にゴールインする姿」が「視聴者の感動」を呼んだらそれでええわけで。まあ勝手にどうぞという感じかな。
 ところが、世の中にはおせっかいな人たちがいてるのですね。以下、朝日新聞より引用。

「禁煙の普及を進める医師らでつくる『日本禁煙学会』(作田学理事長)は、日本テレビ系で18~19日に放映される『24時間テレビ“愛は地球を救う“』で愛煙家のタレント萩本欽一さんが70キロのマラソンに挑むことについて、『医学的に見て極めて非常識』とする見解を日本テレビを含む報道各社に送った。(中略)『感動と生きる勇気を与えたいという気持ちは理解できる』としたうえで、『自らが禁煙して全国民に禁煙のメッセージを送ることで欽ちゃんの気持ちはじゅうぶんに生かすことができる』とし、萩本さんに禁煙も勧めている」

 24時間テレビのオープニングで「さあ、欽ちゃんの禁煙が始まりました」とやって、クロージングで「やりました! ついに欽ちゃん禁煙達成です!」としたところで現在のテレビ的な「視聴者の感動」を得られるとこの学会の人たちは本気で思うているんやろうか。それよりも私には「感動と生きる勇気を与えたいという気持ち」とかいうやつが理解でけへんのですけれど。他人が70キロを走るのを見て与えられる「生きる勇気」なんてどれだけのものか。それよりも脳梗塞で倒れて、そこからリハビリを重ね舞台に復活した坂上二郎さんのドキュメントのほうがよほど「感動と生きる勇気を与えたいという気持ち」が伝わってくるぞ。70キロマラソンをすることで「感動と生きる勇気が与えたいという気持ちは理解できる」とコメントした段階で私はこの学会の人たちの言説にうさんくささを感じる。しかも、本人がする気もない禁煙を勧めてどうするの。
 この人たちは本気で萩本さんの体を気遣うてるのやなく、萩本さんをだしにして「日本禁煙学会」の存在をアピールしたいんやないかと(私は下衆やから)かんぐりたくなる。目立つテレビのイベントに対してアピールする(しかも番組直前に!)とはね。本気で萩本さんの体を気遣うならば、萩本さんが70キロを走ると宣言した半年ほど前にアピールしなさいよ。それなら萩本さんも中止をすることもできたはずやのに。だいたいマラソンの直前に禁煙したところで劇的に効果が現れるもんでもあるまいし、走りながら吸うわけないもんなあ。
 ところで、萩本さんが「医学的に非常識」なマラソン完走を達成したら、この学会はどういうコメントをだすんやろうか。たぶん何もコメントは出さんと思うね。例えば「ヘビースモーカーでもやればできるのだと証明されました」なんて見解を出すはずもないやろうしね。

 19日(日)は、「たちよみの会」の例会です。ご参加をお待ちしています。


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(6) 
共通テーマ:テレビ