演出の問題 [テレビ全般]
大相撲小言場所「九州場所をふりかえって~白鵬連覇、魁皇踏みとどまる~」を新規更新しました。
大河ドラマ「風林火山」もいよいよ大詰め。来週は超有名な川中島の戦いです。
というても、私は毒食らわば皿までの心境で見ているだけで、どうも盛り上がりませんな。なんというか、出演者全員が全員、みな演技が一本調子で大根役者に見えてしまい、わくわくさせるものがないからなんですよ。
役者はすごいところがそろえてあります。名前だけやなく、実力のある役者を並べてます。ところがですね、他の映画やドラマでものすごく味のある演技をしていた人たちが、雁首そろえて大仰な芝居をする。頷き方やとか、首の振り方やとか、みんないっしょですわ。
これはそういう演出なんやろうね。重みのある演技を全員にやらせて「大河ドラマ」らしくしようということなんかな。昨年の「功名が辻」が、主演の2人をはじめとして、軽妙で個性的な演技が光っていたのとは正反対。去年の舘ひろし扮する織田信長なんか、あきらかにあっちの世界にいってる人みたいな感じでものすごくおもしろかった。
きっと、「大河ドラマ」はかくあるべしという人たちが投書でもしたんやろう。というか、最近の「大河ドラマ」は隔年で個性的なのと一本調子なのとが作られている。1年は「大河ドラマ」かくあるべし用で作り、翌年は好き勝手していいということになってるんかな。
今年の「風林火山」なんか、歴史公証がどうしたというレベルではないすごい設定(今川義元が桶狭間で信長に殺されたのは、山本勘介の心理的誘導があったからやて。架空戦記もびっくりの展開であります)があるのに、「新選組!」の時みたいに叩く人はいてへん。なんでかというと、1月の始めは非常におとなしく開始して、叩かれんようにしておいて、忙しい雑誌記者がドラマを見なくなる時期から大胆な展開にしてるからですね。
もっとも、展開はトンデモ的大胆さを見せているというのに、それがちっともおもしろくない。それはもう雁首そろえて大層な演技をしているのに負けているんですな。つまりは演出のせいということやろうね。
なんだかなあ。もったいないなあ。