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数万円のために [時事ネタ]

強盗に乳児を殺された母親の自殺というニュースにはなんともやりきれんものを感じる。
 新聞で読んだことだけしか情報がないし、この若い母親のことを個人的に知っているわけでもない。それでもいろんな思いがわいてくる。それは、この母親の年齢が自分の教え子たちと変わらんからやなんやないかという気がする。
 以下、「日刊スポーツ」のサイトより引用する。

“23日午前3時半ごろ、大阪市東成区東中本2丁目の路上で、大阪府守口市の無職山中いづみさん(22)が倒れているのが見つかり、間もなく死亡が確認された。
 山中さんは16日に守口市で殺害された山中礼弥ちゃん(生後18日)の母親。強盗が押し入ったとされ、守口署捜査本部が事件の経緯について事情を聴いていた。捜査本部などは現場の状況から、近くの歩道橋から飛び降り自殺を図り、車にひき逃げされたとみている。
 東成区内の親類方で、山中さんが書いたとみられる便せん数枚が見つかり「寂しい」といった内容が書かれていたという。(中略)
 強盗殺人事件は16日夜に発生。山中さんの説明によると、男が自宅に侵入して礼弥ちゃんの口と鼻に粘着テープを張り、山中さんも縛って室内を物色。現金数万円を奪い逃走したとされる。(後略)”

 強盗犯は、わずか現金数万円のためにかけがえのない命を2つも奪ったことになる。その金がなければ犯人の命も失われていたのかもしれんが、そやからというて人の命を、しかも産まれたばかりの子どもの、もしかしたらすばらしい未来が待っていたかもしれん(悲惨な未来かもしれんけれど)、限りない可能性と夢を備えた命を奪ってもええということにはならん。
 自殺した母親は、もうすぐ結婚する予定やった。マリッジブルーというのか、結婚生活に対する不安を周囲に漏らしていたという報道もある。そんな不安に対する心の支えとして、生まれたばかりの子どもがいたんやないかと思う。その子どもを理不尽にも失ってしまう。どうやって生き抜く気力を奮い立たせられるというのか。
 辛いのは、結婚相手の大学生もやろう。自分の子どもができた。避妊をせなんだら子どもはできる。ただ、まだ身分不安定ながら結婚を決意した。それまでにいろいろな思いがあったと推測できる。迷い、悩み、2人で話し合い、周囲の人とも相談し、そして決断。
 もし自分の子どもができてなかったら、この女性は自殺することにはならなんだやろうとか、いろんな苦しみが襲っているに違いない。
 そんなことを考えると、よけい辛くなる。もしこれが私の教え子やったら、どんな言葉をかけられるやろう。
 その苦しみのもとは、現金数万円。
 なんと重い数万円やろう。


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