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障害児の入試特訓 [教育]

 来月のはじめに、「障害者職業指導センター」の入試があるので、私の担当している知的障害のある3年の生徒2名を毎日面接特訓やら筆記試験特訓やらで指導している。
 就労するために1年間、この職業指導センターに通うわけやから、まあ彼らの一生に関わる大切な試験です。うち1人は昨年NHK教育テレビの「きらっといきる」で取材を受けた生徒ですわ。テレビではしっかりとしたところを見せてくれたけれど、筆記試験となると心もとない。小学校3年程度のドリルを使うて計算やら漢字の書き取りやらをやらせている。
 どの程度の発達段階にあるかを試験で確認しようということやから、正解が多いから合格ということではないやろう。面接や体力測定、あるいは事前に行っている実習も含めて総合的に判断するということになる。
 それやったらなんで筆記試験の特訓をやるか。私の意図としては「ぶっつけ本番を避ける」ということ、これに尽きる。わからない問題があったらそこでストップせず飛ばしていくとか、そういう一般の生徒なら持っているテクニックはあまりないからね。「問題を解く」ということに慣らせておく必要がある。
 なにかというと「問題をちゃんと読めよ」と声かけをする。「次の言葉を漢字に直して(   )の中に送りがなもつけて書きなさい」と書かれている問題があるとしたら、その問題文をちゃんと読まずに(   )にただ漢字だけを書いたりする。こちらが注意したら、ちゃんと送りがなもつけて書ける。理解力はあるねん。ただ、文を読むのに疲れてしもうたりすると、読み飛ばして「あ、かっこの中に漢字を書いたらええんやな」と勝手に判断してしまうんですね。
 誰でもしてしまうようなケアレスミスなんやけれど、長時間集中することが難しい生徒やと、この手のミスが頻発する。その生徒の理解力を測定する試験やのに、理解力がないと判断される恐れがある。それは避けたい。
 ここらを粘り強く指導していって、なんとか試験本番には実力をそのまま発揮し、面接でも彼らの持つ長所をきっちりアピールしていってほしいなあと願う。
 さあ、明日は午前中いっぱい使うて面接特訓や。彼らも疲れるやろうけれど、こちらもへろへろになる。それでも、ここが大事なところやからね。気合入れていかなあかん。どんな教育でもそうやけれど、特に障害児教育には辛抱と粘りが重要やと、10年以上障害児の教育に関わってきて、それを強く感じるのですね。


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