コンビニ棲み分け [日常生活]
地下鉄最寄駅の上が大きめの交差点になっている。その交差点の北西の雑居ビルで「ミニストップ」というコンビニが開店準備を始めている。そのビルの上の階は学習塾が入っている。オフィスも多いから、コンビニの需要は一定あるわけで、会社員と塾の生徒がターゲットなんやろう。
ところがですね、この交差点の南西には「ファミリーマート」があり、北東には「セブンイレブン」があり、南東には「ローソン」がある。つまりすでに3軒もコンビニがある上に、さらに新規開店とは。
ただ、じっくりと位置関係を見ていると、交差点を中心に見事な棲み分けができていることがわかる。この交差点は広い道が十字路になっているだけやなく、細い枝道が加わって五つ辻になっている。交通量も多いんで、時差式信号になっていて、歩行者が北東の角から南西の角に移動しようと思うたら、けっこう長い時間信号待ちをせんならん。
信号待ちをせんでもいけるコンビニがあれば、それはそれで便利屋ということはいえる。そこらあたりを狙っているように思われる。
さらに、この交差点を区切りとして、4つのエリアはかなり性格が違うたたずまいとなっている。ひとつはオフィスビルが多い。ひとつは商店街と長屋のような古ぼけた建物が多い。ひとつは学校と大き目の一軒家がかたまって建っている。最後のひとつはごみごみとした感じで家が建て込んでいる。
地下鉄の出入り口に近いコンビニもあれば、少し離れているコンビニもある。
つまり、交差点をはさんで立地条件の違うエリアがにらみ合ってるという感じなのですね。地元の人は一番近いコンビニに行くやろうし、会社員の人も交差点を渡らんですむ店を選ぶやろう。見事に棲み分けができているというわけです。それぞれチェーンが違うから、品揃えも少しずつ異なってるしね。
近くに3つもコンビニがありながら他のチェーンのコンビニがあえて参入してくるのには、おそらくそういう立地を生かして営業利益を上げられるという予測が立つからなんやないかと思う。特に塾の真下というのは、安いお菓子などを多めに品揃えしておけば、薄利多売的に収益を上げることも可能やろう。そういう意味ではさすがによう考えてるなあと感心した。
一見「こんなにコンビニばかり作ってどうするんや」と思えるけれど、必ずしもそうやないということやね。
開店直前の「ミニストップ」を見ながら、そんなことを漠然と考えていた。私としてはコンビニばかり増えるよりも新刊の品揃えのよい本屋ができてくれたら嬉しいんやけれど、まあそう都合よくはいかんわな。