マーラーあれこれ [音楽]
マーラーの交響曲のCDはわりとあれこれ持っていて、例えばバーンスタイン指揮のものを聴くと胸が張り裂けんばかりの苦しさを感じ、クーベリックのものを聴くとあたたかな哀しみが心を打ち、ショルティ指揮のものを聴くとストレスがぶっ飛ぶような音響が頭に響き、カラヤン指揮のものを聴くと旋律の美しさに血液がさらさらになり、マゼール指揮のものを聴くと苦味のあるユーモアが黒く忍び寄り、テンシュテット指揮のものを聴くと魂を素手でつかまれたような感触が残る。
ところが、ブーレーズ指揮のものを聴いているとそんな感情的ななにかは迫ってこず、曲の構造だけがくっきり表れてくるみたいな気がするのです。これはこれですごいことやなあ。
まあ、これはあくまで私の個人的な感想でありますが、ものを書くときに流しておくにはカラヤン指揮かブーレーズ指揮のものがよろしいです。他の指揮者のものを流していると、つい書く手が止まってしまうので。
ちなみに今BGMにしているのはブーレーズ指揮ベルリン・シュターツカペルレ他の交響曲第8番です。集中して聴けばマーラーの音楽の構造がきれいに見えてくるんやろうけれど、ただ流しておくだけやと「おっ」とか「やっ」とか「ぎゃっ」とか思わずにすむのでよろしいですね。ブーレーズのファンのみなさんごめんなさい。これはあくまで私の主観ですので。