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宮廷女官キム尚宮 [テレビ全般]

 サンテレビでお昼の1時から毎日韓国の時代劇「宮廷女官キム尚宮」という番組を放送していて、李氏朝鮮にちょっとばかし興味が出てきたんで録画して毎日ずっと見ていた。今日はその最終回やった。
 時代は日本でいうと桃山時代になる。秀吉の出兵で国内が疲弊した朝鮮半島が舞台で、光海君という王様と、王の側近であるキム尚宮(「チャングム」のイ・ヨンエが扮している)、そして光海君の義母でキム尚宮と同年同月同日産まれの大妃の3人が主人公。
 邦題ではキム尚宮が主人公みたいやし、実際少女時代は主人公らしい扱いを受けている。ところが成人して子役からイ・ヨンエにバトンタッチされると、ものすごく権力欲の強い悪の権化みたいな女性になってしまう。イ・ヨンエのメイクも眉を非常にきつめに描いていて、いかにも腹黒い感じがする。そして、大妃は地味な感じの女性で、キム尚宮に徹底的にいじめられ王母の地位も剥奪される。国王は外交感覚は優れているものの重臣たちの派閥争いを抑えることができず、結局クーデターを起こされて王位を剥奪されてしまうのであります。
 いやまあ軸足の定まらないドラマでして、いったいこの3人の誰に感情移入して見たらええんかわからんのですよ。原題は「西宮」という。これは大妃が王母の地位を追われた後に住んでいた宮の名前で大妃本人をさす名称にもなる。ということは、主役は大妃なんやろう。それにしてはキム尚宮にいいようにあしらわれ、ずっと天が王とキム尚宮に罰を下す日をひたすら待っているだけなんやなあ。まだ権力があるうちはその権力を使うてキム尚宮を排除しようとするんやけれど、実権を失ってからはただただじっとしているだけ。クーデターの後、毅然とした態度で王母らしさを取り戻すんやけれど。
 王様は時にはへなちょこで時にはヒステリックで時には毅然としていてと、つかみ所のない役柄ですわ。キム尚宮は明らかに悪役やしね。
 それでも当時の朝鮮王朝と明と後金(のちの清)と日本との力関係なんかはよくわかり、歴史の流れを全然知らんから、そこだけは面白くて最後まで見た。
 やっぱりこれは西宮の復讐譚なんやろうなあ。それにしては自力では結局なんにもできず、権力を回復してからここぞとばかりに王様に厳しい罰を与えるだけなんやから、カタルシスがない。
 こういうのを見ると、「チャングム」というのは非常によくできたドラマやったんやなあということがわかる。まあ日本のNHK大河ドラマでも年によって面白いのと退屈なのとはっきり分かれたりするから、いずこも同じ、なのかもしれんけどね。

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