SSブログ

アーサー・C・クラークの死 [追悼]

 昨日の日記に書くべきやったんですが、1日遅れのお悔やみです。
 SF作家のアーサー・チャールズ・クラークさんの訃報に接する。死因は心臓発作または呼吸困難とされる。享年90。
 まさに大往生。長生きも芸のうちというけれど、書くべきことをほとんど書いた上での死やなかったか。本人はもっと書きたいこともあったやろうけれど、晩年は自分の衣鉢を継がせたい作家との共作という形で書きたいことを次代にバトンを渡すように書き続けていた。そういう意味では、作家としては全うした人ということになるんやないか。
 個人的には「幼年期の終り」かなあ。ちょうどアニメ「機動戦士ガンダム」に「ニュータイプ」という概念が出てきていたところで、のちに漫画家になるおがわさとしさんが「“ニュータイプ”って、SF的にはどうなの?」と質問してきて、私は「幼年期の終り」あたりを例に出して(「人間以上」にも言及したかな)自分なりの解釈を述べた記憶がある。クラークを出してくるあたり、スノッブで嫌な高校生ですな。ああ恥ずかしい。これを若気の至りという(ほんまか?)。
 で、そこから私は集中的にクラーク作品を読もうともくろんだのですが、「海底牧場」が退屈やったのとハインラインの「人形つかい」や「宇宙の戦士」、そしてハリスンの「宇宙兵ブルース」へといってしまい、クラークの熱心な読者やなくなった。
 たぶん、読む順番とか、あるんでしょうな。そやけど、高校生や予備校生やった当時は適切なアドバイスをくれる人を探すこともでけなんだし。SF以外にも読みたいものはようけあったし。
 というわけで、私は熱心な読者やなかったにもかかわらず、SFの読み始めにしっかりと「幼年期の終り」を選び、映画「2001年宇宙の旅」のリバイバル上映にもちゃんと足を運んでいたわけですから、自分のSF観を基礎づけてくれた重要なポジションにいてた作家やということには違いないと思うのです。そういう意味では、私のSFのふるさとのひとつということができるのです。
 謹んで哀悼の意を表します。

nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ: