ジンクス [トリビア]
先日の日記「神話」で「ジンクス」という言葉を使用しましたが、誤用ではないかというご指摘のメールをいただきました。
で、英和辞典で「jinx」を引いてみるとこうあった。
“縁起の悪いもの(人);つきまとう不運(悪運)、鬼門。【注意】日本語の「ジンクス」と異なり、悪い縁起に限られる”(三省堂:ニューセンチュリー英和辞典)
本来の意味では「縁起の悪いこと」に使われるわけですね。例えば「喜多選手がホームランを打つと、その試合は必ず負ける」みたいな感じかな。そこで喜多選手が勝ち試合にホームランを打つと「ジンクスを破った」ということになる。そういうたら水島新司さんの「野球狂の詩」に登場した甚久寿選手は五利監督に不吉な予言をして、それを回避させようとしていたなあ。
ただ気になるのは【注意】の部分なんですね。
で、和英辞典で日本語の「ジンクス」を引いてみた。
“(皆に信じられている考え) popular beliefe (迷信) superstition 【参考】「ジンクス」という日本語はjinxから来ているが、これは「悪運をもたらすもの」「貧乏神」という悪い意味にしか用いない。(→めいしん)”(研究社:ライトハウス和英辞典)
おやおや、日本語の「ジンクス」は英語の「jinx」とは違うらしい。そこで国語辞典で「ジンクス」を引いてみると、古いもの(岩波書店:広辞苑 第三版など)はたいてい悪い方の意味しか載っていない。比較的新しいもので引くとこんなのにあたった。
“(勝負事の世界などで)ある事柄と他の事柄との間に、偶然であるかもしれないが、動かしがたい対応関係があると認められること”(三省堂:新明解国語辞典 第五版)
というわけで、「ジンクス」の用法は、本来の意味では誤用やけれど、最近の用法では縁起の良し悪しにかかわらず使うこともあるんやということみたいやね。
とはいえ、ものかきのはしくれとしては、やっぱり本来の用法に忠実であるべきでしたね。いやいや言葉というのはほんまに難しい。辞書はいろいろな種類のものを引いて比較しながらみていくと、実に面白いということを再確認した次第です。
ご指摘ありがとうございました。あらためて勉強になりました。
で、英和辞典で「jinx」を引いてみるとこうあった。
“縁起の悪いもの(人);つきまとう不運(悪運)、鬼門。【注意】日本語の「ジンクス」と異なり、悪い縁起に限られる”(三省堂:ニューセンチュリー英和辞典)
本来の意味では「縁起の悪いこと」に使われるわけですね。例えば「喜多選手がホームランを打つと、その試合は必ず負ける」みたいな感じかな。そこで喜多選手が勝ち試合にホームランを打つと「ジンクスを破った」ということになる。そういうたら水島新司さんの「野球狂の詩」に登場した甚久寿選手は五利監督に不吉な予言をして、それを回避させようとしていたなあ。
ただ気になるのは【注意】の部分なんですね。
で、和英辞典で日本語の「ジンクス」を引いてみた。
“(皆に信じられている考え) popular beliefe (迷信) superstition 【参考】「ジンクス」という日本語はjinxから来ているが、これは「悪運をもたらすもの」「貧乏神」という悪い意味にしか用いない。(→めいしん)”(研究社:ライトハウス和英辞典)
おやおや、日本語の「ジンクス」は英語の「jinx」とは違うらしい。そこで国語辞典で「ジンクス」を引いてみると、古いもの(岩波書店:広辞苑 第三版など)はたいてい悪い方の意味しか載っていない。比較的新しいもので引くとこんなのにあたった。
“(勝負事の世界などで)ある事柄と他の事柄との間に、偶然であるかもしれないが、動かしがたい対応関係があると認められること”(三省堂:新明解国語辞典 第五版)
というわけで、「ジンクス」の用法は、本来の意味では誤用やけれど、最近の用法では縁起の良し悪しにかかわらず使うこともあるんやということみたいやね。
とはいえ、ものかきのはしくれとしては、やっぱり本来の用法に忠実であるべきでしたね。いやいや言葉というのはほんまに難しい。辞書はいろいろな種類のものを引いて比較しながらみていくと、実に面白いということを再確認した次第です。
ご指摘ありがとうございました。あらためて勉強になりました。