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おそるべしボストン茶会事件 [トリビア]

 今日から定期考査。私は今年は世界史を教えている(他にもいろいろ教えている。現代社会も「なにわ研究」も)。
 夕食時、ナイターを見ながら妻と世界史をネタに話をしていて、アメリカ独立戦争の話になる。妻が鮮明に覚えているのは「ボストン茶会事件」。インパクトある名前やもんなあ。
 イギリス本国が植民地アメリカへの経済制裁を目的として、茶の輸入を東インド会社に独占させたことに対して、愛国派の過激グループが先住民(アメリカ・インディアン)の扮装をして茶葉を積んだ船を襲い、茶の箱を海に次々と投げ込んだ事件です。「ボストン茶会事件」は正しくは「ボストン・ティー・パーティー」。邦訳の「事件」は不要なんですな。そやけど「ボストンのお茶会」をきっかけに独立戦争へと突き進む、なんて説明されてもなんのことかまるでわからんから、「事件」をつけたんでしょう。
 妻は高校時代にこれを教わり、「なんで“茶会”なん?」とずっと思い続けてきたそうな。
 諸説あるけれど、私はハイになった連中が興奮して「よーし、これからパーティーの始まりだ!」とはしゃいで茶の箱を海面に投げ込んだんやろうなあと思うている。
 それにしても恐るべきは「ボストン茶会事件」という名前ですわ。この名前のおかげでただ積荷を海に投棄しただけの事件が人々の脳裏に刻みこまれているんやからね。アメリカの独立宣言を起草したのがトマス・ジェファーソンやということは覚えてなくても、「ボストン茶会事件」は覚えていたりするんや。
 世界史上有数の名コピーかもしれんなあ。

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