京都SFフェスティバル2009私的レポートその5 [SF]
いよいよ合宿企画の開始です。実行委員長の注意のあと、東京創元社小浜徹也さんによる恒例の参加者紹介など、今年もプロ作家がたくさんいる合宿であります。
私は本の雑誌のM村さんに久々にお会いできて幸せです(人妻やけど)。
私は本の雑誌のM村さんに久々にお会いできて幸せです(人妻やけど)。

京都SFフェスティバル2009私的レポートその4 [SF]
企画第四部は「想像力の文学とは何か―リアル・フィクション再び?」。
早川書房から刊行されている「想像力の文学」シリーズについて、編集担当の塩澤快浩さん、作家の遠藤徹さん、平山瑞穂さんが語る。
塩澤さんの司会で遠藤さんと平山さんが自己紹介をした。文学部から農学部へと進んだという異色の経歴がある遠藤さんは奇想的なものが好きで、研究書ばかり書いていたが赤ちゃんが産まれたのをきっかけに小説を書き出す。ホラー大賞受賞後、文芸誌にも作品を発表している。
平山さんは、純文学志向だったが、なかなか投稿しても通らず書き溜めた連作をまとめてファンタジーノベル大賞に応募したら入選。純文学一筋のはずが意外にもそちらに向いているように思われたのが面白い。
デビュー作に関するエピソードが披露され、なかなか「想像力の文学」の話が出てこない。
ついに塩澤さんが聴衆にネタをふり、作家のお二方は、ジャンルでくくれない自分の世界を受け入れてくれるシリーズに出会えたことを喜んではった。ノンジャンルというものがこのシリーズの特徴だと。
そして、最後に塩澤さんから「Jコレクション」に入り切らない作品を、異色作家シリーズ的に展開する企画だと紹介され、デザインのコンセプトなども解説された。セールス的にはまだ少し苦しいらしいが。
お二方とももの静かな感じで、これまでの京都SFフェスティバルにきてくれたゲスト作家の方たちとはひと味違う感じでした。
(写真左、塩澤快浩さん。中、遠藤徹さん。右、平山瑞穂さん)
早川書房から刊行されている「想像力の文学」シリーズについて、編集担当の塩澤快浩さん、作家の遠藤徹さん、平山瑞穂さんが語る。
塩澤さんの司会で遠藤さんと平山さんが自己紹介をした。文学部から農学部へと進んだという異色の経歴がある遠藤さんは奇想的なものが好きで、研究書ばかり書いていたが赤ちゃんが産まれたのをきっかけに小説を書き出す。ホラー大賞受賞後、文芸誌にも作品を発表している。
平山さんは、純文学志向だったが、なかなか投稿しても通らず書き溜めた連作をまとめてファンタジーノベル大賞に応募したら入選。純文学一筋のはずが意外にもそちらに向いているように思われたのが面白い。
デビュー作に関するエピソードが披露され、なかなか「想像力の文学」の話が出てこない。
ついに塩澤さんが聴衆にネタをふり、作家のお二方は、ジャンルでくくれない自分の世界を受け入れてくれるシリーズに出会えたことを喜んではった。ノンジャンルというものがこのシリーズの特徴だと。
そして、最後に塩澤さんから「Jコレクション」に入り切らない作品を、異色作家シリーズ的に展開する企画だと紹介され、デザインのコンセプトなども解説された。セールス的にはまだ少し苦しいらしいが。
お二方とももの静かな感じで、これまでの京都SFフェスティバルにきてくれたゲスト作家の方たちとはひと味違う感じでした。
(写真左、塩澤快浩さん。中、遠藤徹さん。右、平山瑞穂さん)

京都SFフェスティバル2009私的レポートその3 [SF]
第三の企画は「岸本佐知子インタビュー」。
作家、翻訳家、エッセイストの岸本佐知子さんに国書刊行会の樽本周馬さんが迫る。
SFは読んでいないし、アウェー感がひしひしとあるという岸本さん。
中学時代に「人間以上」を読んでSFに挫折したという。ただ、筒井康隆さんはむさぼるように読んだという。
新しい本を好奇心たっぷりに読むのではなく、気に入った本を繰り返し読むそうです。
翻訳に関するエピソードや名物編集者の話など、SFとは関係ないけど、楽しい裏話が続く。
最近は創作、エッセイ、翻訳に精力的に活躍中。エッセイの依頼がきても、翻訳の仕事をしたいと必ず編集者にいうそうで、訳したい本は、中学時代に読んだ筒井康隆の影響で奇想的なものが中心になると話す。
次は岸本さんが逆襲で樽本さんにインタビューをはじめ、樽本さんの文学的趣味に関する質問を始めた。
岸本さんはとても自然体で、飾らないけど、すごくセンスのいい方やと感じた。SFとはあまり関係ない話ばかりやったけど、すごくいい感じのおもろいインタビューでした。
(写真左、樽本周馬さん、右、岸本佐知子さん)
作家、翻訳家、エッセイストの岸本佐知子さんに国書刊行会の樽本周馬さんが迫る。
SFは読んでいないし、アウェー感がひしひしとあるという岸本さん。
中学時代に「人間以上」を読んでSFに挫折したという。ただ、筒井康隆さんはむさぼるように読んだという。
新しい本を好奇心たっぷりに読むのではなく、気に入った本を繰り返し読むそうです。
翻訳に関するエピソードや名物編集者の話など、SFとは関係ないけど、楽しい裏話が続く。
最近は創作、エッセイ、翻訳に精力的に活躍中。エッセイの依頼がきても、翻訳の仕事をしたいと必ず編集者にいうそうで、訳したい本は、中学時代に読んだ筒井康隆の影響で奇想的なものが中心になると話す。
次は岸本さんが逆襲で樽本さんにインタビューをはじめ、樽本さんの文学的趣味に関する質問を始めた。
岸本さんはとても自然体で、飾らないけど、すごくセンスのいい方やと感じた。SFとはあまり関係ない話ばかりやったけど、すごくいい感じのおもろいインタビューでした。
(写真左、樽本周馬さん、右、岸本佐知子さん)

京都SFフェスティバル2009私的レポートその2 [SF]
第二の企画は、「物語と工学」。
作家の円城塔さんと新城カズマさんの対談。
企画開始時間ぎりぎりに新城さんが入って来て、なんと打ち合わせ無しで話が始まった。
実はネット上で交換日記的にやりとりをしているということで、そこから円城さんが作った「対比表」をもとに話が始まる。
新城さんの「物語工学論」から、小説の書き方の違いを話し合う。
書きたい場面から書き出す新城さんと、設計図を作る円城さんの違い。新城さんが今書いている作品の苦労話などで話が盛り上がる。
新城さんが作品を作る過程を、円城さんが理解しようとしたり解明しようとしたりする様子が、非常に面白い。
「物語工学論」をもとに、物語を作るということそのものについて意見を戦わせる2人。先人の作ったチャートなどを見ながら、物語作りのシステムを語っていく2人。その食い違いや、差異がなんだか不思議になごやかに語られていく。
でも、これはなんか戦いかもなあ。
で、続きは合宿企画やそうです。
(写真はスクリーン横の円城さん。暗くてなんだかわかりません。すみません)
作家の円城塔さんと新城カズマさんの対談。
企画開始時間ぎりぎりに新城さんが入って来て、なんと打ち合わせ無しで話が始まった。
実はネット上で交換日記的にやりとりをしているということで、そこから円城さんが作った「対比表」をもとに話が始まる。
新城さんの「物語工学論」から、小説の書き方の違いを話し合う。
書きたい場面から書き出す新城さんと、設計図を作る円城さんの違い。新城さんが今書いている作品の苦労話などで話が盛り上がる。
新城さんが作品を作る過程を、円城さんが理解しようとしたり解明しようとしたりする様子が、非常に面白い。
「物語工学論」をもとに、物語を作るということそのものについて意見を戦わせる2人。先人の作ったチャートなどを見ながら、物語作りのシステムを語っていく2人。その食い違いや、差異がなんだか不思議になごやかに語られていく。
でも、これはなんか戦いかもなあ。
で、続きは合宿企画やそうです。
(写真はスクリーン横の円城さん。暗くてなんだかわかりません。すみません)

京都SFフェスティバル2009私的レポートその1 [SF]
今年もやってきました「京都SFフェスティバル」。
朝からいろんな人たちとごあいさつして、会場へ。
最初の企画は「ベイリー追悼」。作家の山本弘さん、評論家の大野万紀さん、翻訳家の大森望さんが、バリントン・ベイリーについて語る。
山本さんがベイリーを知ったのは「スターウォーズ」人気の時代のムックだそう。大野さんがベイリーの経歴について紹介。ベイリーのオリジナリティとユーモアのセンスを高く評価。
小説でなければトンデモ本、山本さんに叩かれると会場を笑わせたのは大森さん。そのトンデモぶりが魅力とも。
思いつきを理論武装したようなベイリーの楽しさを「馬鹿な話を大まじめに書く」と山本さん。ハーネスとの共通点なども熱く語った。
大森さんが、ベイリーが作家を志したのは、就職してもサラリーマンとして生きていけないから、と紹介したら、山本さんは身につまされるようと苦笑していた。
大野さんがベイリーのとりつかれたテーマを紹介。時間とは何か、魂や意識とは何かをあげ、作品の中から例をあげ、解説してくれはった。
とにかくSFが好きで、SFファンしか楽しめないような作品を書いたベイリー。科学的な正確さよりも自分のアイデアを広げていくことを追求したベイリー。プロ作家というよりも最高のファンライターだったベイリー。山本さんはベイリー再評価を希望し、大野さんはワイドスクリーンバロックの楽しさを若い人に知ってほしいと語った。ベイリーの魅力を3人がそれぞれに楽しそうに語る企画だった。
(写真左、山本弘さん。右、大野万紀さん。大森さんはさらに右に座ってはるので携帯のカメラでは入りませんでした。すみません)
朝からいろんな人たちとごあいさつして、会場へ。
最初の企画は「ベイリー追悼」。作家の山本弘さん、評論家の大野万紀さん、翻訳家の大森望さんが、バリントン・ベイリーについて語る。
山本さんがベイリーを知ったのは「スターウォーズ」人気の時代のムックだそう。大野さんがベイリーの経歴について紹介。ベイリーのオリジナリティとユーモアのセンスを高く評価。
小説でなければトンデモ本、山本さんに叩かれると会場を笑わせたのは大森さん。そのトンデモぶりが魅力とも。
思いつきを理論武装したようなベイリーの楽しさを「馬鹿な話を大まじめに書く」と山本さん。ハーネスとの共通点なども熱く語った。
大森さんが、ベイリーが作家を志したのは、就職してもサラリーマンとして生きていけないから、と紹介したら、山本さんは身につまされるようと苦笑していた。
大野さんがベイリーのとりつかれたテーマを紹介。時間とは何か、魂や意識とは何かをあげ、作品の中から例をあげ、解説してくれはった。
とにかくSFが好きで、SFファンしか楽しめないような作品を書いたベイリー。科学的な正確さよりも自分のアイデアを広げていくことを追求したベイリー。プロ作家というよりも最高のファンライターだったベイリー。山本さんはベイリー再評価を希望し、大野さんはワイドスクリーンバロックの楽しさを若い人に知ってほしいと語った。ベイリーの魅力を3人がそれぞれに楽しそうに語る企画だった。
(写真左、山本弘さん。右、大野万紀さん。大森さんはさらに右に座ってはるので携帯のカメラでは入りませんでした。すみません)
