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内館横審委員最後の稽古総見 [大相撲]

 冬の寒さというたら、だいたいは底冷えとくるところなんやろうけれど、この正月の寒さはちょっと違うように思う。
 風が強いんですな。秋に吹く木枯らしみたいな感じか。気温はさほど低くなくても、外に出たら体感温度が全然違う。底冷えも好きやないけど、風が体温を容赦なく奪うていくのはかなり厳しいから、もっと嫌ですわ。
 それでも「相撲取り裸で風邪ひかん」のやからたいしたもの。
 この初場所後に横綱審議委員を退任する内館牧子さんが最後の稽古総見に参加した。私が子どもの頃の横審委員というのはほんまに相撲が大好きで苦言もはっきりと口にする人が多かったように思う。作家の舟橋聖一さんやドイツ文学者の高橋義孝さんがそうで、同意できることもできないこともあったけど、愛する相撲のために自分が御意見番になるんやという気概があったんやないか。
 ところが近年の横審委員のメンバーを見てると、歴代のNHK会長が必ず入っていたり、読売新聞のナベツネ氏などほんまに相撲が好きなんかどうかふだんの言動からはまったくわからん方も選ばれたりしている。つまり、名誉職なんですな。
 たぶん内館さんは「女性の委員も入れておいたらよかろう。相撲が好きらしいし」程度の感覚で委嘱されたんやろう。ところがこの方の舌鋒はそらきつい。名誉職どころか、まさに「平成の角界御意見番」という感じで、私はその発言に拍手を送ったものです。
 内館さんくらいはっきりとものの言える横審委員はもう出てこんやろうな。そしてますます横審委員は名誉職の色が濃くなってお手盛りの審議委員会が開かれると、そういうことになるんかな。せめて内館さんの思いを引き継ぐような方が1人でも残ってくれたらなあと望むばかり。
 内館さんには退任後も桟敷席にどっかと座って睨みをきかせ、在野からこれまで通りどんどん意見を言い続けてほしい。応援してまっせ。

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