タイトルのセンス [読書全般]
先日、たちよみの会の例会で出た話題と、そこから考えたことを少し。
城山三郎という作家は明治、大正、昭和の政財界を題材にした優れた小説をたくさん書いていて、いずれも面白いのに、なんかしらんタイトルのつけ方のセンスはあまりよろしくない。
「鼠」「落日燃ゆ」「男子の本懐」「雄気堂々」……。確かにそれぞれの内容に沿うてはいるんやけれど、今ひとつ言葉に深みがない。
うまいのは司馬遼太郎で、「世に棲む日日」「菜の花の沖」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」「花神」……。なんというか意味ありげでしかも言葉の響きがよい。
司馬遼太郎も城山三郎もどちらも同じくらい面白い史伝小説の書き手やと思うけど、このタイトルのつけ方のセンスの差でかなり損をしているような気がする。むろん、司馬遼太郎はもと新聞記者で、城山三郎はもと経済学者ということになるから、見出しというものの大切さを実地で知っていた司馬遼太郎が読み手を惹きつけるタイトルをつけることを重視していたやろうということは想像に難くないんやけれど。
SF作家でタイトルのつけ方のうまいのは筒井康隆さんかなあ。「なんやしらん読んでみたい」と思わせるタイトルがずらりと並んでる。「ベトナム観光公社」「48億の妄想」「馬の首風雲録」「にぎやかな未来」「農協月へ行く」「笑うな」……。
このセンスだけは真似ようとも真似られんもんだけに、得してる人、損してる人、けっこういると思うよね。
城山三郎という作家は明治、大正、昭和の政財界を題材にした優れた小説をたくさん書いていて、いずれも面白いのに、なんかしらんタイトルのつけ方のセンスはあまりよろしくない。
「鼠」「落日燃ゆ」「男子の本懐」「雄気堂々」……。確かにそれぞれの内容に沿うてはいるんやけれど、今ひとつ言葉に深みがない。
うまいのは司馬遼太郎で、「世に棲む日日」「菜の花の沖」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」「花神」……。なんというか意味ありげでしかも言葉の響きがよい。
司馬遼太郎も城山三郎もどちらも同じくらい面白い史伝小説の書き手やと思うけど、このタイトルのつけ方のセンスの差でかなり損をしているような気がする。むろん、司馬遼太郎はもと新聞記者で、城山三郎はもと経済学者ということになるから、見出しというものの大切さを実地で知っていた司馬遼太郎が読み手を惹きつけるタイトルをつけることを重視していたやろうということは想像に難くないんやけれど。
SF作家でタイトルのつけ方のうまいのは筒井康隆さんかなあ。「なんやしらん読んでみたい」と思わせるタイトルがずらりと並んでる。「ベトナム観光公社」「48億の妄想」「馬の首風雲録」「にぎやかな未来」「農協月へ行く」「笑うな」……。
このセンスだけは真似ようとも真似られんもんだけに、得してる人、損してる人、けっこういると思うよね。