山中峯太郎版ホームズの魅力 その1 [読書全般]
創元推理文庫の「シャーロック・ホームズ」全集もとうとう「最後の挨拶」まで読み進め、これを読み切ると「事件簿」で終わり。これは版権の関係で長らく新潮文庫版が独占していて、阿部知二の旧訳ではなく深町眞理子さんが訳しております。今度新訳で「冒険」から深町訳に変わるのも、そのためか。もっとも現在では言い替えがなされている表現も多々あり、訳し直す時期がきたというところやと思う。
最近ポプラ社文庫から南洋一郎版「怪盗ルパン」全集がついに復刊された。これが完結したら、ついに山中峯太郎版「シャーロックホームズ」全集の復刊なるかというところですね。期待したい。
若い人たちには天下の珍書としてぜひ読んでいただきたい。そらもうすごい。ホームズがワトソンとメアリー・モースタン嬢の結婚の後押しをしてみたり、ワトソンが本文中でバックナンバーの宣伝をしてみたり。
「この話は『鍵と地下鉄』におさめてあるから、ぜひ読んでください!」
原著ではそんなこと言うはずないですよ。
ホームズがワトソンに過去の事件を書いて発表しろとすすめたりもする。
「ほら、君はまだあの事件を書いてないじゃないか」
確か原著では「君のおかげで顔が売れすぎたから、調査するにも変装しないといけない」と軽口をたたく場面があるくらい。ホームズがワトソンの書き方に文句を言う話もある。
そやけど、こういうところが面白かったりするんですよね。ホームズがそんなん言うわけないやんという、今やったら突っ込んでしまうようなところが、当時の子どもとしては非常に親しみやすくて魅力的やったりしたもんなんです。
そやけど復刊は難しいかもなあ。タイトルに「土人の毒矢」なんて強烈なのもあるし。これなんかは短編集やから表題作を入れ替えたらええのか。それでも表紙の絵も復刊するとなると、表題と表紙が全然合わなんだりするからなあ。
峯太郎ホームズではまだまだ書きたいことがある。続きはまた今度。
3月21日(日)は「たちよみの会」例会です。ご参加をお待ちしています。
最近ポプラ社文庫から南洋一郎版「怪盗ルパン」全集がついに復刊された。これが完結したら、ついに山中峯太郎版「シャーロックホームズ」全集の復刊なるかというところですね。期待したい。
若い人たちには天下の珍書としてぜひ読んでいただきたい。そらもうすごい。ホームズがワトソンとメアリー・モースタン嬢の結婚の後押しをしてみたり、ワトソンが本文中でバックナンバーの宣伝をしてみたり。
「この話は『鍵と地下鉄』におさめてあるから、ぜひ読んでください!」
原著ではそんなこと言うはずないですよ。
ホームズがワトソンに過去の事件を書いて発表しろとすすめたりもする。
「ほら、君はまだあの事件を書いてないじゃないか」
確か原著では「君のおかげで顔が売れすぎたから、調査するにも変装しないといけない」と軽口をたたく場面があるくらい。ホームズがワトソンの書き方に文句を言う話もある。
そやけど、こういうところが面白かったりするんですよね。ホームズがそんなん言うわけないやんという、今やったら突っ込んでしまうようなところが、当時の子どもとしては非常に親しみやすくて魅力的やったりしたもんなんです。
そやけど復刊は難しいかもなあ。タイトルに「土人の毒矢」なんて強烈なのもあるし。これなんかは短編集やから表題作を入れ替えたらええのか。それでも表紙の絵も復刊するとなると、表題と表紙が全然合わなんだりするからなあ。
峯太郎ホームズではまだまだ書きたいことがある。続きはまた今度。
3月21日(日)は「たちよみの会」例会です。ご参加をお待ちしています。