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「猛虎水滸伝」 [読書全般]

 一日ずっと雨。今日は午前中はテレビを見て、午後から午睡と読書。今週かなり疲れていたんで、睡眠をとれたのは大きかった。
 読書はサンスポが出した「猛虎水滸伝」という本。全文、水本義政さんというベテランのトラ番記者の方が書いている。水本さんは長年日刊スポーツの記者としてタイガースにかかわってきた方。江夏投手のオールスター連続9奪三振秘話など水本さんやないと書かれへん内容がふんだんに盛り込まれているのが嬉しい。
 さらに、戦前の景浦将、藤村富美男、若林忠志といった名選手のエピソードにたっぷりとページを割いているのもいい。にわか仕込みでない年季を感じるね。私の子どものころはまだ戦前を知る人たちがたくさんご健在やったから、そうした人たちに取材した本や職業野球草創期に活躍した人たちによる著書も多く出ていた。
 そやけど、近年のタイガース本はどうしても古くて1960年代、しかも吉田、村山、三宅、小山というスターたちには触れていても、並木、朝井、藤本勝ら地味なレギュラーについては書き手がその存在を知らんのやないかというくらいおざなりになっているものが目立ち、さらにそういう本に限って、川藤や亀山クラスの選手について多くページを割いていたりする。
 子どものころに近藤唯之「阪神サムライ物語」や松木謙治郎「大阪タイガースの生い立ち」などを熟読し、戦前戦後の名選手についての知識を刷りこんでいった私としては、「川藤が書いてあって山口政信やカイザー田中や小川年安や堀尾文人に一切触れてない『タイガース名選手列伝』なんか信用できるかい」という気持ちになるのですね。
 というわけで、特に若いタイガースファンの方にはお勧めですぞ。できれば「阪神サムライ物語」も復刊してくれたらええのにな。
 ただ、この本は「直扱い」となっていて、アマゾンでは扱わず、書店でも置いてあるところとないところがあるのが難点。ぜひともほしいという人は産経新聞の販売所で注文するとかサンスポのサイトで購入するしかない。同じ新刊でも、直近の取材だけでタイガースの歴史の深さを感じさせへん大下英治「阪神タイガース変革論」はかんたんに手に入るというのにね。

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