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そんなん言わんと見守ったってくれや [プロ野球]

 今日、タイガースの試合の中継を見ていて、昨日の甲子園でのことを思い出した。
 ちょうど、久保田投手が登板し、先頭打者にヒットを打たれたところで思い出したのです。久保田投手は「久保田劇場」とABCの道上アナウンサーに名づけられるほど、ハラハラドキドキの投球を展開するのですね。

 で、昨日の場面。
 私は相手方の攻撃ということもあり喫煙室に行ったのです。喫煙室にはモニターがとりつけられていて、久保田投手が先頭打者に二塁打を打たれているところを映しだしておりました。
 それを見たいかにもな「チャラ男」くんが「もう、クボタやめてくれやー、たのむわー」と聞えよがしに言うのであります。
 近くにいた「応援歴50年以上」というような感じの男性が、これをきいて「チャラ男」くんに懇願しました。
「そんなん言わんと見守ったってくれや。頼むわ。信じたってくれや。打たれても怒らんといてくれや」
 ああ、痛いほど御老体の気持ちがわかります。「チャラ男」くんはタイガースが毎年優勝争いをしたり優勝したりする2002年以降にファンになったんやないかと思います。そやけど、御老体も私も「けっこう強いのに必ずジャイアンツに優勝を許してしまうタイガース」や「負けても負けても負けても負けても時々ええ勝ち方をするタイガース」を応援し続けてきているのです。そんな古手のファンにとってはタイガースのファンになるということは「たちの悪い女に惚れてしもうたダメ男」になることやったり、タイガースの選手には「できの悪いドラ息子やけど時々はええ成績を出すんでつい許してしまう」というようなもんなんです。
 私もつい口を出してしまいました。
「久保田はな、ランナーを出さんと本領発揮でけへんのですわ」
 それでも「チャラ男」くんはぶちぶち言うておりましたけど。
 もちろんタイガースには勝ってほしい。優勝してくれたら嬉しい。そやけど弱い弱い弱いタイガースもまた愛おしい。そんな気持ち、彼にはなかなか理解でけへんことかもしれませんなあ。
 昨日も今日も久保田投手は打たれながらも無失点で抑えてくれました。御老体の気持ちに報うてくれたなあと、心の底から安堵しておるのであります。

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